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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 112

それからは少々慌ただしい日が続いた。一つの理由はジュダに名付け親を頼んだ事。家族や親類まで巻き込み一族総勢で連日家族会議を開催、「あれもいい」「これもいい」と話はまとまらず、一週間後のある日、「こいつ寝てばっかだなぁ…『ネム』でいいんじゃねぇか?」とルカの一言を聞いたジュダは『命名・ネルム』と名付けた。『ル』は『セガルド』と『ルカ』共通の一文字を使いたかったらしい。
他にもランドとリリー、リグールとサーシャを始め、話を聞き付けた知り合いが毎日のように訪ねて来て、連日祝杯をあげさせられていた。
その席で珍しくリグールと話をした時、ネルムに竜を狩る力は備わらないと聞いた。アーカイヴの血は劣性であり、アーカイヴに対してのみ劣性となる特殊な一族と交わらなければ力を後世に残す事ができない。
それは、兄リグールの役割な訳だが、サーシャべったりの彼はそんなつもり無いらしい。セガルドはめんどくさい旨を彼に伝えると、「竜狩りの剣を所持している奴が跡目だろ?俺は持ってないから知らん。精々責任は全うしろ。」
と、セガルドに全てを押しつけた感じだった。
それだけではない。遂にセガルドは動きだし、一つの計画を実行に移す。
「さぁみんな!お出かけしようじゃないか!」
ネルムを抱きながら意気揚々と歩きだすセガルド。愛しい妻達は何か買い出しに行くのかと疑問をセガルドに言うが返事なし。
到着したのは、いかにも怪しいボロ小屋だった。
「皆は目を閉じなさい。ゼシカ、一人づつ案内してくれ。イリスはお手伝いだ」「???」
ゼシカとイリスもよくわからないまま、ボロ小屋に入る。数分後、嬉しそうに飛び出してきた。
「まずはセフィ様からですよ♪」
「なんなのかしら…」
少々不安を感じながらも目を閉じてゼシカに導かれる。次にルカ、ソラと順番に入っていき、最後にクリスが呼ばれた。
「なんなんだいったい…」「失礼しますね。」
「な、ゼシカ!何故脱がすんだ!」
「クリス、騒ぐんじゃねぇよ。」
「ルカ?何なんだいったい…」

「目を開けていいぞ。」
クリスが少しづつ目を開けていくと、最初に見えたのは純白の花嫁衣裳に身を包んだ三人だった。
「???」
そして、自分も…
「これは…」
「クリス、よく似合ってるよ。なぁネルム〜♪」
セガルドは笑顔でネルムに話し掛ける。
「ほら、ゼシカとイリスもボケッとしてるなよ。君達の分もあるんだぞ?」
「えっ?私達の分もあるの…?」
「当たり前だろ。」
「…嬉しいです…」
ゼシカは瞳に涙を浮かべている。
「はは、大袈裟だなぁ。」「しかし、なんでこんな薄汚ぇ場所なんだ?」
「もう大騒ぎは十分なんだろう。ひっそりとするのも悪くないさ。」
バタンッ!
勢い良く扉を開く音と共に、ジュダが嬉しそうに入ってきた。
「甘いなセガルド君!尾行には細心の注意を払わなくちゃ駄目だろう!」
「ち、父上!!」

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