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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 111

そこには絶望と憎悪に満ちた形相のサイが居た。
「お前のせいだ…」
「な、なにが…?」
「お前達が王国を裏切ったせいでパパは魔力を奪われて追放…ママは娼婦に…」「そんな…」
「絶対に許さない…セガルド達も許さないからな…」ランドはサイが先程、ジンに渡したはずの魔導志を持っている事に気付いた。
「…さ、サイ…それ…」
「気安く呼ぶな!絶対に復讐してやるからな!お前の全てを俺が奪ってやる…」すれ違いざまに囁いたサイの言葉にランドはただ立ち尽くす事しかできなかった。
遠くなるサイを姿を見ながら、一つの疑問が浮かぶ。「なんでサイが魔導志を…?ジンさんに渡したはずなのに…。ジンさんに報告した方がいいかな。でも、そうしたらサイが…」
結局、ランドはサイと会った事、魔導志の行方を誰にも言えなかった。それがアルトバル全土を危機に追いやるとも知らずに。

ランドの悩みを知らないセガルドの生活は穏やかだった。
昼間は愛する妻達にサービスしながら、夜は闘技場で虎に変身。帰宅すれば妻達との夜を過ごす。
ソラとは結婚式が行なわれてからと約束したため、まだ抱いていない訳だが…
そして、遂にルカの出産を迎える。セガルドが今日も闘技場で観客を湧かせている頃、ルカの体に異変が…「うぅ…いたた…、クリス、産まれるかも…。」
「なんだと!?おい!セガルドを呼べ!」
「部屋にいないよぅ!ご主人様ぁ!」
「とりあえず産婆を呼びましょう。その内に帰ってくるわ。」
その頃、
「でたぁぁぁ!タイガーキック炸裂だぁぁ!」
「タ・イ・ガー!タ・イ・ガー!」
「ニャァ!!」
「ワァァァァァァ!!」

「今日の相手も弱かったなぁ…。早く帰ってゆっくりするか。」
「はぁ、はぁ、セガルド君!!」
「義父上、そんな息を切らせてどうしたんですか?」「産まれる…」
「はい?」
「きみの子供だよ!ルカちゃんが産気づいたんだ!」「なんですって!?」
セガルドは屋敷へ全力で走りだした。屋敷に到着すると階段を駆け上がる。ルカの部屋の前には屋敷の使用人やジュダの妻達、そしてセフィ達が総出で集まっていた。
「あっ!セガル!どこに行ってたのよ!」
「そんな事よりルカは!」「安心しろ、ルカは強い女だ。今は待て。」
「クリス…あぁ。」
ウロウロと動き回り落ち着かないセガルド。クリスやセフィも黙ったままだ。

それから数時間、
「おぎゃぁ、おぎゃぁ」
「きたぁぁぁ!」
「何がだ!」
クリスのツッコミに構わず部屋に飛び込むセガルド。「おめでとうございます。可愛い女の子ですよ。」
「おぉっ!娘だ!ルカ!体の具合は!?」
「…この痛みをお前にも味わせてやりたいぜ…」
「無事ならよし!おぉ〜娘だ娘だ♪」
興奮したまま我が子を抱くセガルド。ソラが「いいなぁ…」と囁くとクリスとセフィも「うんうん」と頷いた。

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