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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 107

そんな事を知らない当の二人は…
「ソラ、そろそろ他の場所へ…」
「いえっ!も、もう少しだけ…」
「…」
「…」
「(くぅ〜っ!バカモノが!一回説教を…)」
「(リグール!待ってください!邪魔をしてはいけませんよ!)」
「(しかしだな!)」
「(二人とも見て!)」

「…ソラっ!」
「は、はぃ!」
意を決したセガルドが、ガシッと両肩を掴むとソラは目を閉じた。自分も目を閉じてそ〜っと顔を近付けていく…唇が触れそうになったその時、
「セガルド!伏せろ!」
「へ?うぉ!!」
ガギィンッ!
「ギャァァァァ!」
「きゃぁ!」
ソラを抱き締め地面に伏せる。見上げると、飛竜の背に乗り刃を叩きつけるリグールがいた。
「なんだこりゃ…」
「ちっ、やはり竜狩りの剣がなくては…」
「リグール!」
「なんだこれはっ!」
頭上を見上げると飛竜の群れがグルグルと城を旋回していた。
「何が起こっているんだ…。これは…」
「ツルギヲ捨テロ。竜狩リノ一族ヨ。我ニ敵意ハ無イ。」
「リグール、剣を捨てなさい。話を聞きましょう。」「…仕方あるまい。」
「ソラ、怪我は?」
「平気です。せっかく…」「?」
「いぇ!何でもありませんわ!」
「(せっかく…キスしてくれると思ったのに…)」
「…人のデートを邪魔しておいて敵意が無いだと?」「せ、セガルド!飛竜に喧嘩を売るんじゃ…」
「うるせぇ!一発殴ってやる!」
「待てぇ!落ちたら死…」リグールの制止を振り切り、セガルドはテラスから文字道理飛んだ。
「なにぃ!?」
ドゴンッ!
「ッグガァァァァァ!」
「馬鹿な…飛竜を素手で殴るとは…」
「この野郎!暴れるな!」セガルドは竜の髭を掴みながら振り回されている。
「キサマ!殴ルトハ何事ダ!ヒドイデハナイカ!」
「うるせぇ!この野郎!」
「ヤ、ヤメテ!モウ殴ラナイデ!」
「なんだぁ?弱ったフリで油断させようなんざ…」
「我ハ雌ダ!オ前ハ女性二手ヲ上ゲルノカ!?」
「…は?髭あるだろが!」「竜化シテルト髭ガ生エルノ!トニカク降リテ話ヲ聞イテヨ!」
「…まぁ一発殴ったからいいか。」
セガルドは髭の反動でテラスに飛び乗る。と同時にソラが胸に飛び込んできた。「おっと、ソラ?」
「…心配しました…。あんなに危ない事…」
「ご、ごめんなさい。」
「無事でよかったです…。…ん〜…」
頭を優しく撫でると、ソラは嬉しそうに目を細めた。
「(可愛いなぁ…)」
セガルドはキョロキョロと周りが飛竜に目を奪われているのを確認してから、ソラに軽く口付けした。
「ん…えっ!?」
「多分、兄に呼び出されるから今の内に…」
「う、嬉しいです…。」
「セガルド!貴様も来い!ジン、竜族が人里に現われるには理由がある。お前も来てくれ。」
「ほらやっぱり…さ、行こうか。」
セガルドはソラを連れてリグールの後を追った。
謁見の間ではサーシャが王座に、やはり両隣にはリグールとジンがいる。
「初めましてアルトバル王。私は竜族の長の娘、フェルミと申します。」

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