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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 106

「メリル、まだいたのか…」
「まぁまぁいいじゃん☆」「あらセガルド、何をしているの?」
後ろから聞き覚えのある声が…
「さささサーシャ様!?」「ふふ、そんなに驚かなくたって。王宮なんだから私が居ても不思議じゃないでしょ?」
「はは…確かに…」
「でもよくここを見つけたわね。ここは代々王族が婚姻の約束をする際に用いる場なの。リグールとも此処で…」
ポッと赤くなるサーシャ。「…長居は悪いですね。」「あらいいのよ。ゆっくりして行って頂戴。じゃ私は行くから、また来てね☆」サーシャは笑顔で去って行った。
「行っちゃったぁ…」
「忙しいんだろ?」
「…」
「あ、私もアリシス様に会わなきゃいけないんだった!じゃあね〜♪」
メリルも気を遣っているのか手を振りながら走っていった。
「まるで嵐のような奴でしたね…」
「セガルドさん!」
「はい?」
「あ、あの…その…」
ソラは何か言いたそうにモジモジしている。顔もさっきより真っ赤だ。
「…キ…」
「キ?」
「け…敬語はやめましょう!私は慣れてますがセガルドさんには敬語で話して欲しくないです!」
「あ、わかりました。…ソラ、風が心地いいな。」
「はぃ…」
返事をしてから俯いてしまい、麦わら帽子で表情が見えない。困ったセガルドは帽子をパッと取り上げた。「…とりゃ♪」
「きゃぁ!セガルドさぁん!返してぇ〜っ」
「わはは、は…」
ソラの紅く染まった頬と潤んだ瞳、ドキッとして何故か唾液をゴクリと飲み込んでしまった。そして、一つの事実に気付く。
「(そういえば俺…二人きりでのデートらしいデートなんてしたことなかったなぁ…)」
みるみる自分まで真っ赤になっていくのがわかる。体温、脈拍上昇と自身は冷静に考えているが、笑顔が引きつっていた。
「せ、セガルドさん…?」「なんだ?」
冷静なつもりのセガルドだが、声が上ずっている。
「キ…」
「き?」
「キレイな景色ですねぇ〜♪」
「あぁ、そうだな。」
そんな二人を見守る複数の影。サーシャ、リグール、メリル、アンナ、アリシス、ジン、おまけにデイル。現在のアルトバルの若き主要人物フルメンバーに近い顔ぶれ。
「(愚弟め…早く接吻をかませばいいものを…)」
「(あれがリグールの弟か!確かに似ているな!)」「(シーッ!聞こえてしまいますよ。いやはや…)」「(昔のリグールを見ているようだわ…☆)」
「(…いいなぁ…私も…いつかは…素敵な旦那様と…ふふ…)」
「(セガルドの奴!ソラ様に恥ずかしい思いばっかりさせてぇ!そういえばクリス様が退団した理由、聞いてなかったなぁ…)」
「(クリス様は知ってるのかしら…。私も遊撃やめた訳だし主婦になりたいわぁ…)」
セガルドの根本的ミス、それは顔見知りの多い王宮を選んでしまった事だった。

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