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魔導志
官能リレー小説 - ファンタジー系

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魔導志 105

「あの!セガルドさん!」「は、はぃ!」
いきなり大声で呼ばれ、先程まで緊張してたせいか、何故か声が裏返ってしまった。
「ど、どうでしょうか?」白のワンピースと麦わら帽子、貴金属は何も付けていない。セガルドの格好に合わせてくれたようだ。
顔を見ると頬が赤く染まっている。なんとも愛おしい…
「と、とても可愛いです。行きましょうか。」
「はぃ♪」
満面の笑顔で応えるソラ。そこにシンシアがやってきた。
「あら、お出かけなの?」「お母様」
「腕くらいは組んで歩くのですよ。セガルドさん、お願いしますね。」
「はい、わかっています。では…」
「セガルドさん。」
ソラが自らセガルドの腕をとる。緊張してるのか少し震えていた。
ヴェルナード屋敷を出た二人は、まず中心街へ向かう。なんとか緊張を解こうと歩きながら話し掛けるのだが、なんとも言えないギクシャク感…セガルドにとっては初めての感覚だった。「(この空気をなんとかしなくては…しかし、いつものくだらない冗談はマズいよなぁ…)」
「(私も自分から話さないと嫌われてしまいそう…何か話題を…)」
「そうだ!」
セガルドは、何かを思いつくと城へ向かった。
衛兵は顔パス。計算外だったのは、目的地への途中でリグールにバッタリ遭遇した事だった。
「貴様、騎士団を抜けた分際で何をしている?」
ギラリとセガルドを睨み付け、ソラは少し怯えてしまっていた。
「パパになっても変わりませんなぁ。あ、コレ兄です。」
「えっ?そういえば似ているような…」
「貴様、兄を『コレ』だと?リグールだ。弟が世話になっている。」
「リグール・アーカイヴさん!?」
「??」
「姉様から聞いてます!凄腕の番犬だとか…」
「…姉?」
「クリスの妹、ソリアさんです。婚約者でもあります。」
「貴様の婚約者はこれで何人目だ?クリスにルカにクラウス嬢にクリスの妹、おまけに魔族が二人。好かれるのは結構だが、あまりホイホイと結婚するもんじゃ…」
「あ〜はいはい!結婚式は呼んで下さいよ。さ、行きましょう。」
「待てセガルド!…ったくあいつは…」

「よろしかったのですか…?」
「構いませんよ。小言をグチグチ聞かされてはたまりません。」
セガルドは勝手に王室付近まで入り込んでいた。
「あっ!セガルドみっけ!何してんの?」
「次はメリルか…。見りゃわかるだろ!デートだよデート!」
「パンピーのデートコースにしては不自然だよ。センスを疑うね。ってソラ様じゃないの!誘拐?」
「違うわい!婚約者なの!あっちいけ!シッシッ!」「あ〜ヒドーッ!ついてって邪魔するよ?」
「ぬぬ…ふん!」
セガルドは構わず歩きだした。少し進んだ所に隠し扉があり、勢い良く押し開くと…
「こ、これは…」
頭上に広がる青空と太陽、下の覗けばルクードの全域を見渡せる程のテラスだ。「先日、城に攻め込んだ時に発見したんです。中々の絶景でしょう?」
「は、はぃ♪人が豆粒みたいで…素敵☆」
「うわぁ〜、すごー☆」

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