PiPi's World 投稿小説

群れなして蠢く美しき屍
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 59
 61
の最後へ

群れなして蠢く美しき屍 61

そんなさまざまな収穫を得た誠一行は、外敵のいない見晴らしのいい丘の上で黙々と弥生と月を入れる墓穴を掘っていた。
美樹は葵や白のように泣いてはいなかったが、やはり思うところがあるのだろう。
その顔は暗く沈んでいた。
新しく誠の下僕となった新入り3人も哀れな姿になった2人に哀悼の表情を浮かべている。
だがもっとも2人との別れに傷つき、惜しんでいたのはその主である誠であった。
誠が2人を仲間に引き入れたのは、都合のいい捨て駒として利用するためだった。
しかし実際2人がさらわれたとき、誠は見捨てるという選択肢を選ばずに助けに向かった。
救助が間に合わなかったと知ったとき、これ以上ないほどに深く静かに怒った。
弥生たちをミイラにした男をためらいなく殺すほどに。
あれほど使い捨ての道具と自分に言い聞かせていた2人に対する思いとは正反対の行動と感情に、誠は今でも戸惑いを隠せない。
使い勝手のいい女たちを殺されて腹が立ったのだろうか?
それとも連中と一緒にいる間に愛着の1つでもわいたのか?
はたまた世界中の女たちがおかしくなったように、自分もどこかおかしくなってしまったのか?
疑問は尽きなかったが、今はそれ以上考えることをやめて心のままに動くことにした。
そう、これまで誠に仕えてきた忠実な女たちにありったけの感謝を。
物言わぬ屍と化した弥生と月を穴に入れ、そこに土をかぶせる。
あっという間に土饅頭のできあがり、そこに枯れ木で作った十字架を突き立てた。
本来なら墓石やちゃんとした十字架のほうがいいのかもしれないが、町は今狂った女たちの巣窟になっていてとても危険だ。
墓石なんて重いものをここまで運ぶ余裕もなかった。
だからと言って土饅頭ではあんまりだということで、急遽こしらえたものがこれだった。
お手製の十字架の前で手を合わせ、冥福を祈る一同。
宗教がいろいろごっちゃになっているが、こんなご時世だ。
埋葬のやり方なんて気持ちさえこめていればそれでいいだろう。

「・・・よし。行くぞ」
『え?』

別れを済ませ、新たな目的地に向けて誠がそこを離れようとしたその時だ。
女たちから意外そうな声があがった。
線香も何も持ってない状態で、墓を作って冥福を祈る以外にやることがあるのだろうか。
誠はその場を動こうとしない女たちに指示を飛ばす。

「おい、アイツらが死んで悲しいのはわかるが、いつまでもこうしてられないんだ。
 さっさと出発するぞ」
「い、いえ誠様、そうではなくて。
 先生たちに最後の精液を与えては行かれないんですか?」
「・・・は?」

当たり前のようにうなずく女たちの反応に誠はそう言うのが精いっぱいだった。
確かに死んだ人間には線香なり焼香なり、お供え物をしたりするのが一般的だ。
しかし死んだ人間に精液をお供えするなど、失礼を通り越して無礼ではないだろうか。
誠はそう思ったが、美樹たちは『どうか最後に1発出してやってください!』と目で訴えてきている。
その様子に誠はコイツらもしっかりおかしくなった連中と同じなんだと改めて実感、深い深いため息をついた。

「わかったわかった。言うとおりにしてやる」

その言葉に女たちはよかったとばかりに誠に頭を頭を下げ、感謝の意を述べた。
だがこれまでさんざんSEXの快楽をむさぼってきて、今頃自慰で精液を出すことができるだろうか?
とは言え、やると言った手前、退くこともできない。
誠はいろいろ複雑な思いを抱えながら、墓前で自慰を開始した。

シュッ、シュッ、シュッ・・・

自らの肉棒を手でしごきながら誠は思う。
やはり自分も少なからず女たちのように自分もおかしくなってきている、と。
右手から伝わる肉棒の感触が、今までのそれとどうにも一致しないのだ。
みんながおかしくなった時よりより太く、より長くなったような気がしてならない。
他の男のモノと比べたわけではないが、右手からの感触がまるで自分のものではないかのような錯覚を伝えるのだ。
その違和感のせいでただでさえ乗り気でなかったモチベーションはさらに下がり、肉棒は勃起こそしてもまるで射精する気配を見せなかった。
その様子に美樹たちは不安そうな様子で恐々と訊ねてくる。

「あの・・・誠様?もうずいぶん時間がたちますけど・・・まだ射精されないんですか?」

その言葉に誠は何と答えたらいいのかと、判断に迷う。
だがこの女たちは誠の精液なしでは正気を保てない、忠実な肉奴隷たちだ。
何もかも全部話す必要はないが、なんで射精しないのか、理由を教えるくらいはいいだろうと素直にその理由を教えてやった。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す