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群れなして蠢く美しき屍
官能リレー小説 - ファンタジー系

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群れなして蠢く美しき屍 17


それを見て、3人は驚愕に目を見開いた。
中から飛び出してきたのは複数の人間。
そして3人の記憶と目が確かならば、そのうちの1人はついさっき衣服だけを残して姿を消していた、あの宮崎教師だったのだ。
だが驚くのはこれからが本番だった。
なぜなら飛び出してきた宮崎が、床に不時着した瞬間。
宮崎という人間を構成していた肉はドロリと溶け崩れ、中から知らない女性を残して消えてしまったのだから。
生々しい肉の繭から人間が飛び出してきたというだけでもショッキングだというのに、溶け崩れた人間から人間が出てきたという人智を越えた光景を目撃した3人は。
もはや脳の処理が追いつかず、完全にその思考を停止させてしまっていた。
その結果、3人は謎の物体から飛び出してきた人間たちに先手を与えることとなってしまった。

ガシッ!

「うわッ!?」
「「河原くんっ!?」」

先手を許した誠は、宮崎の身体から出てきた女(長いので以下『宮崎(仮)』)に手をつかまれる。
そしてそのままホラー映画さながらのシーンが展開される・・・ことはなかった。

「「「・・・え?」」」

誠を拘束していた手はあっけないほど簡単にはずれ。
つかむものを失った宮崎(仮)の手は力なく床に落ちた。
てっきり他の男子生徒たちのように襲われるとばかり思っていた誠・・・いや3人は、目の前の光景が信じられず、しばし呆然としていた。
宮崎(仮)に気を取られて忘れていたが、見れば他の2人も同じように床に倒れたまま、動こうとしない。
死んだのか?誠たちが怪訝に思い始めたその時。

「・・・て・・・。・・・ね、くる・・・し・・・」

宮崎(仮)たちが、小刻みに震えながら再びその手を伸ばしてきたのだ。
3人の復活に一瞬怯える誠たち。
だがその恐怖も、彼女たちの言葉を聞いてあっという間に霧散してしまう。
なぜなら彼女たちはこう言っていたのだ。『助けて』。『胸が苦しい』と。
とんだ肩透かしを食わされた誠は、緊張の糸が切れたその疲労から、思わず安堵のため息をついた。

「・・・ふうぅ〜っ。お、驚かせやがって・・・!」
「でも河原くん。このヒト(?)たちどうしよう?
 何かすごく苦しいみたいだけど〜」
「うん・・・助けてあげたほうがいいんじゃないかな?」

弥生の言葉に、美樹が追従するように宮崎(仮)たちの介抱を提案してきた。
だが誠はそう簡単に賛成する気にはなれなかった。

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