PiPi's World 投稿小説

群れなして蠢く美しき屍
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 14
 16
の最後へ

群れなして蠢く美しき屍 16


狭山が謝りながら、自分を転ばせたものを見て息を呑んだ。
誠たちも同じように言葉を失う。
それは半透明の液体でぐしょぐしょに濡れた、かなり大きなサイズのジャージであった。
近くには同じように濡れたメガネも転がっている。
誠たち・・・特に教師である弥生は、そのジャージとメガネに見覚えがあった。
それはこの学校でもっともキモい教師と評判の、数学教師宮崎邦夫のものだった。
それだけではない。
その近くには、女性教師のものと思われる、女物の服が同じように謎の液体でびしょぬれになっていた。
「何だこれ…どういうことだ…」
誠は服を覗きこんだ。
今まで見たものから考えれば、おかしくなった女性教師が宮崎を襲い
服を脱がして自らも服を脱いだというところだろうか?
そして満足した女性教師はさらなる獲物を求めて去って行った。
だが謎が残る。
「宮崎はどこへ行ったんだ?」

満足するほど犯されたなら衰弱して動けないはず。
にもかかわらず姿が見えないのは…脱出したということか。
あるいはこの液体と何か関係があるのか。
「ねえ、これってなんだと思う?」
やはり服を見ていた美樹が誠に声をかけたその時だった。

「2人ともあれを見て!!」
弥生の悲鳴のような声が響き渡ったのだ。
誠と美樹が慌てて弥生が指差す方向を見る。

そこにあったのは先ほど見た異様な肉塊
あいかわらず不気味な収縮を繰り返すその表面に黒々とした筋が浮かび
肉塊を縦に割るように上下に伸びていったのだ。

ブチャッ!ブチュヌチュグチャッ!

割れた筋の奥から身の毛もよだつ音が聞こえてくる。
ホラー映画さながらの光景に、誠たちは誰一人として動かない。動けない。
そして。ついに肉塊の裂け目が大きくその口を開いた。

ジュルリッ!!

「「ヒッ!?」」

弥生と美樹が悲鳴を上げる。不気味な肉の塊から出てきたもの。
それは人間の腕?だった。
疑問形になっていたのにはわけがある。
1つは飛び出してきた腕は1本や2本ではなく、3本だったこと。
2つ目は飛び出してきた腕のうちの1本は、太い腕をドロドロに溶かしながら出てきたからだ。
衝撃的な光景にみなが言葉を失う中、繭の中から飛び出してきた腕は陸に揚げられた魚のように動き回る。
そのたびにあの気色悪い音が職員室中に響き。
肉塊の裂け目が大きくなっていく。
どうやら繭の中身が、出入り口付近で詰まったか何かしたようだ。
そして限界に達した肉塊は、弾けるように裂け目を大きく広げ。
ついにその『中身』を吐き出した。

ジュルルッ!ベチャッ、ドシャバシャッ!

「「「!?」」」

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す