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姫騎士・リリーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姫騎士・リリーの冒険 45

事実、コジャの街で直ぐに釈放されたのも、エステアが警備隊にミーヤが娼婦であるといったからだ。

「証拠を見せろと言われたら危なかったけど、あそこの隊長が見せの常連だったから助かったわ」
それが本当のことなのか、ミーヤには確かめる術は無いのだが、直ぐに釈放された事実を考えると信憑性は高い。

「直ぐに信じろとは言わないわ、でも私たち娼婦には表には現れないつながりがある。これを使えばお姫様を助ける事も可能よ」


「そんな……っ!!!」
ミーヤは激しく葛藤した。
彼女は“愛の営み”とは、心から愛し合った男女の間でのみ行われるべき行為だと信じていた。
それがいきなり娼婦になれと言われたのだから…。
娼婦という職業は、彼女の考える性の在り方の対極にある者達である。
報酬を目的として不特定多数の男達に対して体を開くのだ。
もちろんそこに愛情は無い。
そしてミーヤは処女だった。
女にとって特別な“初めて”を、どこの誰とも分からぬ男に捧げるなど有り得ない事だった。
断固拒否する。
それが彼女の最初の意志だった。

でも…とミーヤは考えた。
もしここで自分がこの話を拒んだらエルンとリリーはどうなる。
自分には二人を救う術も力も無いのだ。
見捨てるという選択肢は彼女には無かった。
「…お願いします」
ミーヤはそう言うと老婆に向かって頭を下げた。
「ふふ…きっとそう言うと思ってたわ」
ミーヤの決意を聞いたエステアは不敵な笑みを浮かべながら言った。
老婆はミーヤの顔を覗き込むようにして尋ねる。
「本当に良いんだね?後悔はしないんだね?」
「はい。私には力が無い。今はこれが最良の選択だと信じます」
とは言えミーヤの内心は非常に複雑だった。

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