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姫騎士・リリーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姫騎士・リリーの冒険 43

またコジャからそれほど離れてないので、かつての常連客が来ようと思えば直ぐにこられる距離にあるのが良かった。

ミーヤは客たちに愛想を振りまき給仕をしつつも、股間の部分が気になったしかがなかった。

(ウゥウー、まだチクチクするよ)
ミーヤが気にする理由、それは恥丘の彫られた刺青と、クリトリスのピアスのせいである。
それはミーヤが騎士から娼婦へと転職した証である。
それはミーヤとエステアがこの街に来た最初の日の出来事である。
エステアはこの街にやって来てすぐに良さそうな空き店舗を見つけ出し、中を綺麗にして内装を施し、調度品を揃えて、その日の内に開店できるよう体裁を整えてしまった。
ミーヤはその手際の良さに思わず感心してしまったが、よくよく出入りする業者達の様子を見ていると、どうも魔法で操られているようだ。
「あの魔女ったら…!」
おそらく彼らの記憶も都合の良いように書き換えておくのだろう。
本来なら騎士として見逃せざる行為であったが、今はエステアと協力関係にある以上やむを得ない。
催眠の効果か、職人たちは休み無く働いたので、その日のうちに改装は終了した。
夕方になると、今度は酒や食料の卸問屋がやってきて、食材等を届けてくれた。

それが終わると、1人の老婆がやってきた。
その老婆こそが、ミーヤに一生消せぬ証を刻む事になる。
老婆は白髪を綺麗にまとめ、紺色のワンピースを着ていた。
右手に杖を、左手に黒の革鞄を提げている。
店に入るなり、ミーヤのほうをじっと見続ける。
どうやらこの老婆は催眠で操られてではなく、自分の意思で歩いてここに来たようだ。
ミーヤをただ見続けるだけで何の反応もなく、ミーヤもどうしたらいいか分からず黙っていると、奥からエステアがやってきて挨拶した。

「老師、遠くまでご足労頂ありがとうございます。よろしければこちらで馬車をご用意いたしましたのに」
ミーヤはエステアがこの老婆に頭を下げているのを見て驚いてしまう。
短い付き合いであるが、今までエステアが頭を下げる所など見た事無かったからだ。
どうやらこの老婆は相当な地位にあるものらしい。
驚くミーヤをよそに、老婆とエステアに話は進んでいく。

「たいした事じゃないよ、このくらいの距離なら健康にいいよ、それよりも準備はできているのかい」

「奥の方に用意は揃っています。いつでも始められますよ」

「そうかい、それなら直ぐに始めるよ。開店まで間が無いんだろ。モグリの娼婦を使うわけにはいかないからね」

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