PiPi's World 投稿小説

姫騎士・リリーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 34
 36
の最後へ

姫騎士・リリーの冒険 36


その廃屋はさほど大きくなかった。中に入ると床に大きな魔法陣が描かれていた。
「これは…転移魔法!!」
「あら、良く知ってるわね。沼の魔女はこれでリリー姫を連れて転移したって訳…」
知ってるも何も…ミーヤ達はこれのせいで遠くまで飛ばされて来たのだ。忘れるはずも無い。
「じゃあ、これを使えばリリー様が浚われた場所に行けるの!!?」
「ええ。ただ、魔法陣を見る限り、これは相当な魔力の持ち主でないと発動させられないわ」
「…相当な魔力ってどのくらい?」
「素人が少しかじった程度の魔術じゃなく、本格的に魔術を学んだ者…しかも相当に熟練した者でなければ無理ね」
「そんな魔術師…はっ!」
ミーヤはハッと気がついてエステアを見た。
「も…もしかしてこの魔法使える!?」
「ふふ…まぁね」
得意気に言うエステア。
「そこで改めて相談なのよ〜。さっきも言ったように、私のお店で働いてくれるんなら、オーク君の救出を手伝ってあげるし、私の魔力でこの魔法陣を発動させて、あなた達をリリー姫の居る所まで飛ばしてあげる。どう?」
ミーヤは再び悩む。
「で…でも、あんたの店ってエッチなメイド服着てストリップすんでしょ?」
「そうよ。あなた顔も可愛いしオッパイも大きいから、きっと人気者になれるわよ〜」
ミーヤは頭を抱えた。自分は見習いとはいえ仮にも騎士たる身…そんな恥ずかしいマネが出来るか。
しかし、エルンとリリーを助けるためには、今はこのエステアに頼るしか無いのだ。
「…分かったわ。そのかわり約束は必ず守ってよね!?」
「ありがと〜!!契約成立ね♪」

エステアとミーアとの間に取引が成立した頃、捕まったエルンは
(ふっここまでか、やっぱり報いを受けるんだな。)

エルンは牢の中、鉄格子のはまった窓から空を眺めながら独り思っていた。
(いつか人間に戻れる日を夢見てきたけど、それもついに……でも良かった。最期にミーヤさんやリリーさんみたいな人達に出会えて本当に良かった)
エルンはもう諦めていた。自分は魔法でオークにされただけで元は人間、今回コジャの街を襲撃した連中とは無関係なのだと何度も何度も繰り返し説明した。
だがエルンはどこからどう見ても立派なオークだった。挙げ句の果てには「我々を混乱させるために魔物達が送り込んだスパイなのでは」との疑いまでかけられた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す