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姫騎士・リリーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姫騎士・リリーの冒険 33

「ハッ!!」
エルンが気が付くと、そこは元居た夜の街だった。
「な…何だ夢か…クソッ!胸糞悪ぃ…」
「キャアァー――ッ!!!?」
その時だった。エルンの目の前にいた通りすがりの若い娘が突然こちらを見て悲鳴を上げた。
「な…何だよ?」
するとどうした事だろうか、道行く他の人々もエルンを遠巻きにして驚き恐れるような視線を向けている。
一体どうしたというのだ。
さらにエルンは彼らの口から発せられた言葉に耳を疑った。
「オークだぁ!!オークがいるぞぉ!!!」
「何でこんな街中に…!?」
「誰か兵隊呼んでこい!!」
「はぁ!?おい、みんな何を訳の解らない事を言ってるんだ?僕が判らないのか!?」
その時、何かがエルン目掛けて飛んできた。
それは彼の頬をかすめ、後方の地面に突き刺さった。
「おい、冗談だろ!!?」
いつの間にか鎧に身を固めた兵士達が現れ、こちらに向かって弓矢を構えている。
「クソッ!!」
エルンは逃げた。

「はぁ…はぁ…こ…ここまで来れば…」
エルンは何とか追っ手を撒き、街を抜けて郊外を流れる川の畔までやって来た。
「とりあえず水だ…」
全力疾走してきたエルンは、川の水を飲もうと水面に顔を近付け、両手で水をすくって飲み干した。
「ゴク…ゴク…プハァ…生き返ったぁ…」
その時、月にかかっていた雲が晴れ、辺りが明るく照らし出された。
「な…っ!!!?」
彼は水に映った己の姿を見て絶句した。
そこに美貌の青年格闘家の姿は無かった。そこに居たのは醜い怪物だった。
「ギャアアァァー―――――ッ!!!!」


「…それから僕は人目を避け、ずっと深い森の奥で暮らしてきたんです」
「そうだったんですか…」
「僕が悪かったんです…もてはやされ、いい気になって、知らず知らずの内に多くの女性の心を踏みにじって来たんですからね…。この姿になって、ようやくその事に気付かされました…」
「う〜ん…確かにエルンさんのした事は女からしたら許せません。でもエルンさんは充分反省したと思います。だって今のエルンさん…私達の知ってるエルンさんは全然悪い人には見えないですもん!」
「ミーヤさん…ありがとう。そう言ってくれると本当に嬉しいです」

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