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姫騎士・リリーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姫騎士・リリーの冒険 28

一方、沼の魔女に浚われたリリーは…
「うぅ〜ん…ここは…?」
彼女は自分の顔の上に落ちてきた一滴の雫で目覚めた。
真っ暗で辺りの様子は良く判らないが、固い石の壁で覆われた、そう広くない部屋のようだ。
おそらくどこかの城か砦の地下牢だろう。
「誰かいないのぉーっ!!?」
暗闇に目の慣れてきたリリーは鉄格子を両手で掴み、隙間から顔を出して叫んだ。
間もなくガチャガチャと鎧の音がして、二人の兵士がリリーの牢の前に現れた。
「あ…あなた達は…!!?」
リリーはその兵士達の姿を見て言葉を失った。
何と彼らの鎧の胸にはアエラルセン王家の紋章が描かれていたのである。
「ようやくお目覚めのようだな。反逆者リリー・ハートランド・アエラルセン」
「は…反逆者ぁ!?一体どういう事よ!!」
「とぼけるな!!」
兵士は言った。
「貴様は王家の娘でありながら魔族と手を結んで我が国を支配しようとした大罪人だろうが!!」
「はぁ!!?何よソレ!!!?」
「国の実権を握ろうと考えた貴様は、病気がちな国王陛下に変わって摂政として国政を担っていた王妃殿下の遠征中を狙って事を起こした。まず手下を使って『王妃殿下が浚われた』と嘘の情報を流し、軍の主力を王都から離した。その隙にお前と手を組んだ魔族の軍が王都を攻め落としてお前は玉座を手に入れる手はずだった。そうだろう!」
リリーは絶句した。まるっきり身に覚えが無い。どうしてそんな話になってしまったのだろう。兵士は続ける。
「だが残念だったな!魔族の軍は王都を落とせなかった。お前達の誤算は王都に残った僅かな部隊が死に物狂いで徹底抗戦した事と、王妃殿下が予想以上の早さで敵国を屈伏させて既に王都の近くまで戻って来ていたという二点だ」
リリー達が洞窟に攻め込んで魔法で飛ばされた時、王都ではそういう事が起こっていたのだ。
しかも一連の出来事はリリーの陰謀という事にされてしまっている。
「ふ…ふざけんじゃないわよ!!だいたい誰がそんな話を…!?」
「王妃殿下だ」
「お母様…!!?」
「確かに我々も初めてこの話を聞いた時は信じられなかった。お前がそんな恐ろしい考えの持ち主だったなどとは…だが王妃殿下が仰ったのだ。間違い無い」
「そんな…お母様が…きっと奴らに操られているんだわ!」
「奴ら…?」

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