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姫騎士・リリーの冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

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姫騎士・リリーの冒険 15

しかし、近付き過ぎててフードを被った女に気付かれさせないためエルンは付かず離れずの距離を保って付いて行った。
夕闇の街角は、大勢の人でにぎわっていた。
人ごみは尾行を隠すのには適していたが、相手を見失ってします危険性もあった。

エルンは話されない様に必死に歩いていたが、そこでアクシデントが起こってしまう。
エルンの目の前で、老婆の買い物袋が裂け、中に入っていた果実がこぼれてしまったのだ。

慌てふためく老婆を見て、ついエルンは親切心を起こし、こぼれた果実を拾ってしまう。
拾い終わった時には、リリーたちの姿は見えなくなっていた。
「しまった」
慌てて追いかけようとしたが、今度は老婆が手をつかんで離さない。
ぜひともお礼をという老婆を無理に引き離すことは出来ず、何とか振り切ったあとには完全に見失ってしまった。
(くっあれを使うな………)
リリー達を見失い悔やむエルンはある手を使う事にした。
(クッ…クンクン、リリーさんはまだ近くにいるな。)
エルンの考えた手とはリリーの匂いで探す事であった、これはオークになって嗅覚が鋭くなった彼だから可能であった。
しかし、鋭くなったとはいえ、それは人間に比べればのはなしで、犬並みの力ではない。
ましてやエルンは元は人間である。
匂いで人の後を付けることなど、これが初めてである。
判別できたのは漠然とした方角と距離だけである。

その頼りない手がかりを元に、よたよたと歩いていった。

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