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刄者と鬼
官能リレー小説 - ファンタジー系

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刄者と鬼 21

「少ないともアンタ以外は楽しんるようには見えないね…僕の目が腐ってないならですけど…」

扉と化物の首を吹き飛ばした籐弥は、刀を片手で構え、血の滴る切っ先を男に突き付け、目が笑ってない笑顔で見据えている。

「僕ちゃんよぅ…ちょっと英雄気取りが過ぎてるみてえだな!!ガキがいらねえ事に首突っ込むと痛い目食らうぜ♪」

「皮被った情けないモノぶら下げた人間には言われたくないね…そういう台詞は!!」

「ぐっ!!…おいおい調子乗んなやこのクソガキが!!」

籐弥の言葉に些かの苛立ちを見せると、無数の苦無を一斉に投げ付ける男。その苦無を籐弥は器用に避け、男との間合いを更に積めていき、顔面を潰す様に足で鼻っ柱を捉えて蹴りあげると、男は芹那の首から手を離して自分の顔を押さえながら軽く宙に舞った。

「そっちこそ調子乗るなよ…闇使いなんだろ?アンタ」

「そうだって答えりゃあどうするよ?…僕ちゃん♪」

鼻血を垂らして不遜な笑みを浮かべ、男は苦無を手にする。
一方、籐弥は無言のまま身に纏っていた上着を自ら剥ぎ、虚ろな瞳でガタガタ身震いしている芹那に放り投げた。

「随分と余裕かまして──ギャァァァ!!─
「ちょっと黙れよ…アンタがどう答えたって僕の答えは1つしかないんだよ」

苦無を握る男の手を力任せに蹴り上げ、男の肩に深く突き刺さるのと同時に、苦無の柄を更に蹴る。

「ギャァァァ────
叫び声と共に、苦無は男の肩の肉を抉り取り天井高くへと舞い上がり、男は肩を抑えて、床をのたうち回っている。
そんな男の姿を横目で睨むと、芹那の前にしゃがみこみ、先程放り投げた服を拡げて身体を隠すように纏わせる。

「…立って歩けますか?」

優しく声を掛けると、声も発せずにコクリと芹那が頷いたその瞬間、籐弥は芹那の身体を掴んで払い除けていた。
払い除けられた芹那は、何故いきなりそんな事をされるのかと睨み付けたが、籐弥の表情は痛みに歪み、瞳には殺気を帯だしていた。よく見ると、右肩に深々と苦無が突き刺さっている。
そう、籐弥は自分の後ろから飛んできた苦無が当たらない様に身体を払い除けてくれたのである。

「油断…大敵だぜ♪クソガキ!!」

肩を押さえたまま苦無を投げようとしている男を睨みつけると、籐弥は自信の右肩に深々と刺さった苦無を引き抜き、それを男の腹部目掛けて投げ捨てるのと同時に間合いを積め、刀で心臓を突き刺した。

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