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中出し帝国
官能リレー小説 - ファンタジー系

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中出し帝国 44


 イリスは夢見る乙女の如く、瞳を輝かせながら胸の前で手を合わせる。

女性は数多くあれど、今日もこの城は平和(?)であった。


 同じ頃、ルルは浴室を出ていた。
リズレアはもう自室に戻ったのか、ルル1人の姿しか見えない。

「はぁ……やっとスッキリしたけど、何か疲れたわ」

 ルルは清められた身体に再びドレスを纏い、廊下を行く。
その呟きには、様々な想いが込められているのだろう。
王族という立場がある限り、その肩の荷が下りる事はないのかも知れない。
ルルがボーッと廊下を歩いていると、ふと何者かに呼び止められた。

「ルル殿。お疲れの御様子で」

 ルルが声に気付いて顔を向けると、そこには女兵士が立っていた。
白基調の簡素な鎧に、凛とした佇まい。
そして短く切り揃えられた金髪の間から覗く猫耳、ルルにはそれが誰か分かった。

「シエラ、ね。そちらは何だか元気そうね……」

 ルルはそう返す事で、お互いの状態の対比を示す。
シエラはフフッと笑い、胸を張り腕を組んだ。

「彼等も、思ったよりはだらしなく……まぁ、良い勉強をしたと思っております」

 白く長い尻尾をふさふさと動かしながら、シエラは少し得意気に言い放つ。

「それはそれは……凄いわね」

シエラの豪胆さに驚きながら、ルルは腰に手を遣った。
慣れぬ土地で、部下と離れ、しかもあの接合令を身を以て知ったというのに……
ルルが今まで見てきた女性の中では、初めてかも知れないタイプだった。

ちょうど良いタイミングと、ルルはシエラを誘った。

「時間くれるかしら? 少し、話さない?」

「む、承知した」

 快諾したシエラと共に、ルルはシエラの自室へと向かった。


 シエラの自室に着くと、2人で机を挟むように椅子に座る。
ルルがドレスを翻しながら脚を組むと、シエラはどっしりと腰掛け少し脚を開く。
対比的な状態で見つめ合う両者だったが、シエラが先に口を開いた。

「私に何用でしたか? 話せる事なら何でもお伝えしましょう」

 ルルは顎に手を遣りながら、少し間を置いて答える。

「いや、大した事でもないけど……何でそんなに元気で居られるのかな、って」

 ルルは、シエラの全く動じない精神が気になっていた。
シエラは腕を組みながら、白い猫耳をピクピクと動かした。

「浮いていても沈んでいても、この国で足掻く事には変わりはありませぬ。
ならば私は、浮いていた方が良い。岸に上がるのなら、そちらの方が近いのではないかと」

 特に考える様子もなく、シエラはさらりと言う。
どうせ生きるのなら、プラスに考えていきたい、という事なのだろうか。
ルルは続きを促した。

「私は武士だ。死ぬ時は志を果たす時。
今は、メアに、部下にもう一度会う事でしょう」

 シエラの語気が強まる。同時に猫耳がピンと立ち、瞳にも力が籠った。

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