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中出し帝国
官能リレー小説 - ファンタジー系

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中出し帝国 41

ルルは答えなかった。否、答えられなかったのかも知れない。リズレアとは、やはり意思や志さえもかけ離れていたのだろうか。唇を噛み締め、ただ心が折れてしまわないように口を閉ざしていた。

「…気分を害しました。私は先に失礼しますわ。」

リズレアは湯から上がると、肌を晒して脱衣所へ向かおうとしていた。

「…………。」

沈黙を守るルルに、声をかけた。

「二つだけ質問を。貴女はこのままで良いのでしょうか?」

「…良くない。でも、変えられないのよ…。」

「何故?」


「…理由ならたくさんあるわ。まず、この主権国家である絶対的な権利を有しているお父様は、此処じゃなくて他の場所にいるから。お父様を説得しに行こうにも、城の敷地から出れば、『毒芽』が必ず捕まえに来るわ。」

「暗殺のスペシャリストですか。八方塞がりですのね。」



ルルは不思議そうに目を丸め、首を少しばかり横に傾ける。

「…えぇ。ってか知ってたの?暗殺集団のこと。」

「風の噂で小耳に挟んだ程度に過ぎませんが、諸説には、狙った標的は確実に仕留め、血の跡すら跡形もなく消滅させる業の持ち主達と聞いております。余りの人並外れた力ゆえ、この世界とは異なる別の世界から出現しているのではないか、彼等こそが今日の社会問題と化している未確認生物を連れて来たのではないか…など。私には、どれも出鱈目に過ぎないと思っておりますが。」

ルルは浴槽の縁の上に両手を組んだ。


「…そう。…多分、その話大体は当たってるわ。忠告だけど、なるだけ彼等には接触しない方が良い。寿命が縮むでしょうからね。」

真剣に訴えるルルの目を見ると、リズレアは優しく頷いた。

「分かりましたわ。…そうですわね、部屋に戻る前にこれだけは確認しておきませんと。」

「確認…何かしら?」

質問なぞ、これから生活していく中で幾らでも聞けるであろうはずなのに、リズレアの目は幾分冷たくなっていた。


「…貴女は、この国の民をどのように思っておられるのですか?」


「………そうね…私は、みんなの事は好き。これだけは嘘偽りは無いわ。どれ程嫌われていようが、ね。…私は、民を『家族』だと思ってるわ。だって、私たち女性は城の敷地から一歩も外に出られない訳だし、同じ所に住んでてほぼ毎日顔が合うわ。その時はおしゃべりしたり、子供達の顔を眺めたりしてるかな。だから…その、何て言うか、血の繋がりは無いけどただ同じ場所に生きてるんじゃなくて、私の頭の中じゃ、1つの大きな家族になってるの。」

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