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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 74

「あの、つかぬことを聞きますが、他にも何かいるのですか?」
不安を覚えた美穂はハイトリヒに尋ねずにいられなくなった。
「ええ、小妖精や小悪魔と言った類のモノが結構います。ああ、来ましたね。」
ハイトリヒの執事が部屋に入ってきてトレイをテーブルに置くと、トレイにはアミュレットが4つ乗せられていた。
「これは軽い呪の類を防ぐアミュレットです。どうぞ皆さん身につけてください。」
美穂、サラ、パル、ミランダはそれぞれアミュレットを手に取ると首にかけた。
パキィ!
そのとき美穂の首にかけたアミュレットが音を立てて砕けた。
「これは?」
ハイトリヒは言葉を漏らしながら美穂に近づき首にかけられた赤いペンダントを覗き込んだ。
「あの?」
「ミホさん、この飾りはどこで?」
ハイトリヒに尋ねられ、美穂はそのペンダントが首から外れなくなったときの前後を話した。
ハイトリヒは戻ったソファーに体を沈めて難しそうな表情で唸る様に呟いた。
「そうですか。ミホさんはこの世界の人ではないのですね。そしてこのペンダントの呪もこの世界の物ではない…。」
「でも、私の世界では魔法とか呪なんて空想の世界のお話程度なのに。」
「憶測でしかないですが、ミホさんの世界では呪いの効果が薄いのでこちらの世界に送られてしまったのでは?と考えられます。そしてこの呪が強力で用意したアミュレットが潰れてしまったのでしょう。」
『この世界』に来てしまったこと自体がショックであるのに『自分のいた世界』の誰かに追いやられたということに美穂は改めてショックを受けていた。
ハイトリヒはペンダントを触って確かめながら美穂に言う。
「そのペンダントは私には外す事ができません。この世界の理とは違う構造ですので……そのペンダントは、貴女の身に起きた変化を固定化する効果もあるようですね。だから、貴女の体型や体質、性癖を直す事はできないようです…」
つまり、質の悪い呪いだと言う事なのだろう、このペンダントは……
「どうすれば、これから解放されるのですか?……それに、元の世界に帰る為にはどうすれば………」

美穂の鎮痛な問いに、ハイトリヒも首を横に振る。
博学な彼とて、分からない事の方が遥かに多いのだ。
「もしかすれば、都まで行けば手がかりがあるかもしれません……しかし、何の保証も無い上に、ここより都への道は遠く険しく、治安も非常に悪い所です。相当な覚悟無しにはいけないでしょう………」
ハイトリヒのそんな言葉に黙って聞くしかない美穂…
正直、どうすればいいのか分からない状態だ。
その日は、それで話は終わり、彼女達は当てがわれた部屋に行く。

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