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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 1

異形な怪物達がうろつく森にその娘はいた
その娘の名前は
宮本 美穂
長袖セーラー服に短いスカートと革の靴
とても藪の中に入る服装ではなかった
美穂は何故自分はここにいるのか理解できなかった
何故なら美穂は学校の廊下を歩いていたはずなのだから

「何なの?ここは」
誰もいないのを承知で小声に出す
大声で誰かいないか確かめたいが、ついさっき自分の体より大きな怪物をやり過ごしたばかりだった
美穂は記憶を遡る
陸上部の放課後練習を終え、教室に置いてきた課題を取りに体育館とのを校舎の二階を繋ぐ連絡通路を朱と紺が混じり紫に染まる空を歩きながら眺めていた
そこから後が思い出せない
その前は?
練習を終え、道具を倉庫にかたし、体育館のシャワーで汗を流した
服を着ているときに、陸上競技に有利な凹凸の少ないプロポーションの自分と、メリハリの出てるみんなとを見比べた
自分は少ないスポーツ下着を手早く着る
みんなはなれないブラジャーに悪戦苦闘する
(まだ中2じゃない。すぐに追い着くわ)
成長期と言うだけの根拠に自分を励ますと一足先に部室に戻った
自分のロッカーを開けると、鞄の上に小さな白い紙袋が置いてあった
美穂は学校でちょっとした人気があり、ちょくちょくファンレターやプレゼントが送られた
ほとんど女子だが
ほとんど女子からの贈り物だった
荷物を出し、畳まれたのを見たことのない折り畳みテーブルに置くとみんなが戻ってきた
「ねぇ、これ、ロッカーに入ってたんだけど、誰が入れたか知らない?」
みんな知らないと返事をする
「いつものプレゼントでしょ?何々?」
まるで自分に来た物のように喜ぶ友達
「うーん、勝手にロッカーを開けられるのって気持ち悪いのがあるんだよね」
みんなに急かされながら紙袋を開けて口を下に向ける
中から親指の先暗いの赤い水晶のペンダントが着いた銀の細い鎖のネックレスが滑り出た
わっルビー!?
まっさか〜
でも、きれいだね
そう?ちょっとくすみ過ぎだよ
部員が思い想いを口に出す
「ね、ミャッホ(美穂のニックネーム)着けて見ようよ」
部員が後ろに周りと鎖を首に回しかけてくれた
刹那
ーゾワー
全身に鳥肌が立つ
まるで冷たい枯れ枝が首に巻き付き絞まったような感じがした
そっと鎖に触れてみると、指が余裕に入るくらいで絞まっていない
(ネックレスってこんな物かな?)
美穂は初めてのネックレスの冷たさに驚いたんだと一人納得することにした
部室を出る前に外そうとしたら
似合うから今日くらいは着けていたら?
と言われ、そうすることにした
教室に取りに行く物があるからと、みんなとは部室の前で分かれた
いつもと変わったことと言えばこのネックレスくらいだ
(だからってコレは関係ないだろうし)
外して見ようと首の後ろに手を回す
「あ、あれ?」
どこにも繋ぐ金具がない。
(えぇ―!?)
顎の下で手繰り寄せて何周もさせたがどこにも無い
すっぽ抜こうとしても、輪が頭より小さいので抜けない
(嘘?まさか本当にコレが原因!?)
パニックに陥りかけると、ガサガサと音が近づいてくる
美穂はしゃがみ、茂みに身を隠すと、その前を四本足の獣が鼻を鳴らしながら通りかかる
(あっち行って!あっち行って!!あっち行って!!!)

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