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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 39

用意したのはガチガチのペラペラになるまで使い込んだタオルのミイラなのに、握っているのはフカフカだった
後ろを向けばお湯は温かいまま
美穂は狐に摘まれた気分になった
服を身につけようとすると洗濯されて畳まれた服が用意されている
サラシも同じだった
服を着て食卓の間に入る
そこには予想していた光景が広がっていた
集めてきた食料が料理になってテーブルの上に並べられていた
ボウルをのぞき込むと半分以上なくなってる
「妖精さん?」
西洋の民話にミルクを供えると妖精がお手伝い幸をもたらすのを聞いたことがある
呟く美穂の横に白いシルクの服を着た色白の透き通る少女が現れ、美穂を驚かせた
少女は12、3歳ぐらいだろうか……
多少幼さの残る可愛らしい顔に、プラチナブロンドの長いストレートヘア。雪のように白い肌と、さして起伏の無い身体が、美穂には妖精のように思えた。
その少女は、澄んだ碧眼を美穂に向けると、にっこりと微笑んだ。
「久しぶりに家に帰ってきたら人がいるんでびっくりしましたわ……ミルクが大量においてあるから泥棒さんじゃないわと思ってはいたのですけど……妊婦さんだったのは更にびっくりですわ」
いや、妊婦じゃないんだけどね……
美穂がそう言おうとした時、もう1人女性が扉から入ってきた。
その女性は少女とよく似ていて、年齢は20代前半ぐらい。少女と同じくプラチナブロンドの髪に碧眼、顔立ちは美穂が見とれる程美しく、スタイルも均整の取れ、少女が妖精ならこの女性は女神のようであった。
女性も多少びっくりしてるようだが、その視線は主に美穂の大爆乳に注がれていた。
「お姉さま、正体は旅の妊婦さんでしたわ」
「あら、そうだったの……それであのミルクだったのね」
いえ、だから違うんですけど……
勝手に館を使ってたことを詫びると、夕食に誘われた(集めたのは美穂)
美穂はどこか夢見心地だった
燭台に灯る淡い光に照らされた料理のせいかもしれない
料理の心得はあるが、ここには調味料の「さしすせそ」のほとんどは揃っておらず、火力を調整できるコンロも無い
塩と怪しげな香辛料だけで火は焚き火
採った物はそのまま食べるか、焼いて食べるくらいの違いしかなかった
目の前には蒸し焼きにして、クリームソースをかけられた肉や、ホコホコと湯気を上げる温野菜などが彩り豊かに盛り飾られていた

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