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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 33

悪魔との“何者にも負けない無敵の胸”の取引に使われた領土はみるみるすたれた
それを知った王は后を切り殺そうとしたが、胸に阻まれ刃が届かないどころか、胸に傷一つ着けられなかった
魔法も火も傷着けることができなかった
ただ一つ、あまりにも大きなあまり、自分で動くことができなかった
そこで王は后を地下の宝物庫に閉じこめ、領土を民と共に離れた
后は嘆き悲しみ朽ちる日をただ待ち望んだ
しかし一向に老いる気配はない
ある日悪魔が現れ
「その胸を誰かに分ければ小さくなるよ
誰より小さくなれば無敵じゃなくなるよ」
后は胸を元に戻してとお願いしたが、それは聞き入れてもらえなかった
悪魔は情けとして后の背後に宝物を出した
「町に宝物がここにあることを教えてくる
それを目当てに来た奴に胸を分ければいい」
悪魔の言う通り、宝物目当ての冒険者が訪れるようになった
冒険者は后の元に着く頃にはヘトヘトになり、后が出す母乳に飛びついた。
しかし、胸を分けられるのは女性だけで男の冒険者では効果が無かった
冒険者も傷一つ着けられないラスボスに、「行くだけ無駄」と誰も拝んだことのない宝物。次第に誰も近寄らなくなった
冒険者も来なくなり地下から出られない后には外でどのくらい時間が過ぎたのか知らない
ただひたすら女性が来るのを待ち、母乳を飲ませるのことを続けていた

このことを美穂が知るのは先のことであった
持っている服では胸を覆うことはできず、道具袋からサラシを出す
グルグル巻き付けて押さえようとしたが短い
サラシを真ん中から背中で交差
両脇から胸の前で持ち上げるように交差させ、首の後ろで結んだ
制服のシャツを羽織、ボタンを閉めず下の方をお腹の上で結ぶ
(不格好だけど丸出しで歩くよりいいよね)
母乳の効果か、疲れも乾きも嘘のように取れていた
その代わり胸が大きくなり重たくなった
美穂は身支度を整えると斧槍を持って、立ち上がる
「…」
柄を握りしめると、壁に向かって渾身の一撃を放った
激しい音を立て、埃が濛々と舞い上がる
埃の先には斧槍の刃を受け、砕けて窪みができていた
美穂は割れた壁の向こうにマーガレットがいるのに期待していた
「ちぇ…」
荷物を揺すり上げると地下を出た
壁の向こうでは目の前に広がったヒビに、マーガレットが腰を抜かしていた
古城の外はすっかり暗くなっていた
夜を明かして炎天下を歩くより寒いぐらいに涼しい内に進むことにした
緩やかな下り道
星灯りを遮る物の無い枯れた道は青く染められていた
崖から大地を見渡す
荒涼とした大地が広がり、しばらく緑に触れられそうになかった
乾いた大地を撫でる風か飄々と鳴く
所々転がる岩の陰に何がいてもおかしくない雰囲気に美穂は身を堅くしながら進むが、何も出てくることはなかった
「…けて。助けてください」
風の音に混じって声がする
辺りを見渡すが誰もいない
背筋がゾっとする
「こっちです。あなたの向いてる岩の下です」

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