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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 22

バキバキメキ!
扉とは違うところから飛び込んできた丸太に男達は吹き飛ばされる
壁を突き破り丸太が飛び込んで来た
悲鳴を上げる間も無く、男達は地に伏す
生きているらしく、呻き声が微かに上がる
美穂は後ろ手に縛られたまま床を這いずり、逃げようとする
長はそれに気付いたが、状況の見えない事態に動くことも護衛を割くことも出来なかった
逃げる美穂の前をブーツが阻んだ
見上げると、鉄の仮面兜を被った男が見下ろしていた
「何者!?じゃ」
長が護衛を押しのけて食って掛かろうとするが護衛は退かなかった
「どけ!おぬしら!!」
護衛は長の無事を優先して陣を崩さず仮面の男に集中する
仮面の男は美穂を小脇に抱えるとそのまま扉から悠々と外に出る
(一体、何なの!?)
ここで暴れても状況はよくなるとは思えなく、美穂はしばらく流れに身を委ねることにした
外には二体の巨人と二羽の翼竜がいた
その内の一羽に仮面の男は美穂と乗る
「あ、あの!」
美穂は声を掛けるが、男は見向きもしない
「あの!私を連れて行くならあの荷物も持ってきてください!」
男は呆気に取られた顔を美穂に向けた
数秒考えて、巨人に手話の様なサインを送る
村の者達が鍬(クワ)や鋤(スキ)を持って集まってくる中、男は動じることは無かった
巨人が長の家の入り口に置いてあった美穂の荷物を取ると仮面の男に差し出す
受け取ると仮面の男は翼竜を操り、空に舞い上がる
長が何か騒いでいるが、手を出そうとする人は一人も居なかった
後を続いてもう一羽の翼竜が二人の巨人の手を掴み、空に上がる
かなり重たいのだろう
力強い羽ばたきにモタモタと飛ぶと、美穂の乗せられた翼竜とは別の方向に飛んでいった
かなりの速度で飛んでいるのだろう。翼竜の背中で強い風を受け、目を細める
縛られたままでバランスが取れず、仮面の男の背中にぴったりとくっつく
「ちょっとぉ!私をどおするの?あなたは私を助けてくれたの!?」
ビョウビョウと風を切る音に負けないように大きな声を出すが、男の耳に届いているか、自分でも自信が無かった
聞こえていないのか、無視しているのか男は一瞥もくれなかった
(何なのよ、一体)
「ちょっとぉ!寒いんだけどぉ!!」
その言葉に反応したのか、男は羽織っているマントを美穂に被せる
「あ、ありがとう。って、聞こえてるじゃない!ちゃんと答えてよ!!」
それ以上、美穂の声に男は反応すること無かった
どのくらい飛んだのだろう
やがて翼竜が高度を落とすと、森の中に切り開かれた広場に下りた
そこに大きな屋敷があった
男は美穂を抱え上げると、翼竜から飛び降り、そっと地面に立たせた
美穂は男から数歩離れる
何か言おうと口を開くと男は屋敷に向かって進む
「あの、ちょっと?」

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