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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 17

別れる時、リーダーから一枚の皮を貰った
皮には焼印と焼鏝(やきごて)で文字が書かれていた
「もし、町の中で困ったら、このエンブレムが掛かってる建物を探して中の人にコレを見せるんだ
俺達の行商組織がきっと力を貸してくれる
俺達の組織は御節介で成り立ってるからな」
「嬢ちゃん。もし俺達を見かけたらまた来てくれ
また一緒に飯を食おうぜ」
男達の御節介と親切に涙が浮かんでくる美穂は、泣き出す前にお礼を言い、そして別れた
久しぶりの暖かい食事に身が軽くなった
行商の人達と別れて一日が経った
道の先に大きな川が流れている
川の水は激しく濁流になっていた
川岸を見渡すと、一軒の小屋と、大きなイカダがあった
小屋の中には男の老人が一人いた
「あ〜あ、何時もなら俺が渡してるんだが、川上の方で年に何度かの大雨でさ。下流は晴れててもこの通りだ
収まるまで待つ?
そりゃ、泊めてやらんことも無いが十日くらいかかるぞ
こっから川伝いに下流に行けば橋があるけど、よした方がいいぜ?
山賊?命乞いが出来る分タチが良いさ
魔物だよ。橋を渡ろうとする人と馬と荷物を目当てに屯してるんだよ」
「大丈夫です。私、こう見えても結構強いですから」
美穂は食料を少し売ってもらい、橋を目指して進んだ
迂回するより渡しを利用する人が増え、橋を利用する人が少なくなったこの道は旧街道となり、道には
拳より大きな石がゴロゴロと転がり、草があちらこちらに生えていた
時々踏みつけて転びそうになる
切り開かれていた道からだんだんと茂みが増え、今は右手が崖、左手が森の道を歩いていた
あの行商の人達もここを通ってきたのかな?
森の中から藪を漕ぐ音が響く
一つや二つじゃない
(出た!)
背負っていた斧槍を構え、森に正対する
ガサガサ…
(多い!?やばいかな)
美穂は斧槍を構えたまま道を歩く
藪の中では音がさらに集まる
(焦らない。数がそろわれる前に逃げなきゃ)
そう、思った瞬間、藪を割って無数の狼のような獣が飛び出してきた
「きゃぁぁぁ!」
悲鳴を上げながら美穂は斧槍を振るう
三匹が纏めてなぎ払われる
しかし、獣の数は大して減らない
美穂は叩き伏せるより、川に払い落とすようにする
接近にはあまり適さない大きな斧槍はこのタイプの魔物相手には近づかれると苦戦になる
食いつこうとする牙が何度も美穂の肉に食い込む
魔物が美穂を突き倒そうとすると大地を蹴るための爪が美穂の肌を何度も裂く
美穂は血まみれになりながらも斧槍を振るい、橋を目指した

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