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赤い水晶のペンダント
官能リレー小説 - ファンタジー系

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赤い水晶のペンダント 13


宮本 美穂

服類
E 体操服(短パン)
セーラー服(冬物)
ランニング(シャツ:パンツ)
E 皮の手袋
E 皮の肘宛
E 皮の膝宛

武器
E 斧槍
短剣

道具
地図
食料
各種薬
水筒
浄水剤
携行燃料
スポーツバッグ(学校指定)


動きづらいので体操服に着替えると増えたこれらをリュックに詰めこむ
それを中華鍋のような小鍋に押し込み背負う
(普通ならすごく重いんだろうな)

「街道まで送ろう」
モニカの声に美穂は教会の人達に手短に別れを告げる
いつまでも握ってるチャロの手をそっと解き門を出ていった
「いい人達ですね」
街道に向かう途中、何か会話をと、美穂は切り出しすが
「うむ」
の一言で終わらせてしまう
(間が持たないよ)
道は左右が茎が指より太く背の高い草に阻まれた、轍(わだち)でできた獣道みたいだった
「すごい草ですね。刈らないんですか?」
「全て刈ったとしても十日もすれば元通りだ」
「凄いですね。動物のえさにはならないんですか?」
「食う奴もいるが、よほど食うに困らないと食わない」
「はぁ。家畜も食べないなら人にはもっと食べられないんですね」
モニカは鼻でため息を付くと、腰の短剣を抜き、一本草を切った
草の周りの皮をはぎ、茎の周りを短剣で剥く
それを二つに折ると、片方を美穂に渡した
「食えないことは無い。食ってみろ」
そう言い、自分でも食べた
ジャキジャキと音を立てながら食いちぎる様は見るからに食べにくそうだった
美穂は思い切って奥歯で齧った
噴出す草の汁
「ぐへ!」
口いっぱいに広がる青臭さと渋み。思わず汁を吐き出す
「ごわ、これ、なんです!?」
「なにって、草だ」
「な、本当に食べられるんですか!?」
何度も唾液とともに口の中の渋みを取ろうと唾を吐く美穂を見ながら、モニカは残りの茎を頬張り、モシュモシュと食べる
「水が無いときにはこの汁を啜り、食べるものが無いときは茎を食う。それで十日は生き延びることが出来る」
「こんなので?」
「うむ。実際にやったことがある」
「へぇ」
「だが、よっぽど窮さないと誰もしないだろう」
「何かあったんですか?」
「色々とあったんだ」
「そうですか…」
美穂は残りの茎を見ると、再び齧りついた
顔を顰めながら今度は飲み込む
硬い繊維が喉を引っかく
「無理しなくてもいいんだぞ」
「悔しいから食べます」
モニカは怖い顔をしながら茎に齧りつく美穂を眺め、フッと笑いをこぼした
「食うことにそれだけ意地が張れるなら大丈夫だろう」
美穂の頭をワシワシとなでる
「それって、食い意地が張ってるってことですよね」
「それだけ長生きできるってことだ」
その後、藪を抜け、森に入る
モンスターに五度遭遇するも、二度は逃げてくれて、三度は襲ってきたがモニカが瞬殺した
モニカとの会話はもっぱら食べることになった
(食べるって世界共通だな)
美穂は頭の中で<食は世界を繋ぐ>というタイトルが勝手に出来ていた
野草やキノコ等の山菜、果物類
家畜から野鳥に野獣。さっき倒した獣の肉のさばき方
果ては虫の食べ方の話まで
さすがにこれには美穂は気分が悪くなりかけた
これらは全てモニカは食べたと言う
「冗談ですよね?私を驚かせようとしてるんですよね?」(お願いだからそうだと言って…)
心の中で泣きつく
モニカは森の中の倒れた朽ち木に近づき、鉄靴のつま先で蹴りを入れた
朽ち木は縦半分に割れ、上半分がひっくり返る

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