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エルドラ戦記
官能リレー小説 - ファンタジー系

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エルドラ戦記 21

「ねえ、ミモナ……、君が今、考えている事、当てて上げようか?」

「えっ!」

エルドラが、いつもより真剣な面持ちで話しかけてきた事にミモナはおおいに驚いた。

「君は、この性欲魔人エルドラと一緒にいたら、なにされるか解らないって思ってたよね……」

「………」

ミモナは正に図星をさされて、沈黙する。そして、この沈黙を肯定と受け取ったエルドラは、彼には珍しく憤怒の表情で吼えた。

「バカにするのも大概にしろ、ミモナ!!!今、この瞬間も僕の仲間が毒で苦しんでいるんだ。

それなのに君は自分の心配しかしてないのかい?一晩の付き合いじゃ、命を張るに足りないのかい?
今、君の……君の魔法の力が必要なんだ。」

エルドラに怒鳴られたミモナは俯いてしまい、動かなくなってしった。それは怒鳴られたショックの為か、自責の念に依るものか……

だが、エルドラには動かない彼女を待つ時間は無かった。
「………君は下山しててくれ、花は僕一人で取りに行く」
そういってエルドラは頂上の方へと走っていった。
後には、今にも泣き崩れそうなミモナだけが残されていた。

(少し言い過ぎたかな。でも、信頼出来ない娘とパーティーは組んだら危険だからね。それにジェラさんが死んだら悲しいからね。)
遠ざかるミモナを振り向かずエルドラは黙々と頂上を目指しながら、自分を信頼出来ないミモナを突き放すしたエルドラ、ミモナはじっくり喰おうと考えたが、自分を弟の様に可愛がってくれるジェラの命を考えると、自分に全然靡かないミモナは手放した方が良いと決めた。
エルドラはひたすら頂上を目指して走っていた。常人では途中で力尽きてしまう速度で山を登っていっても、エルドラなら耐えられた。
一心不乱に走りつづけていたエルドラだったが、不意に歩みを止めた。

すると、木の影からわらわらと先ほどの大きさの蜘蛛から1センチにも満たないような子蜘蛛まで、おびただしい量の虫たちが現れた。
蜘蛛の糸を木から垂らして降りてくる蜘蛛や地を這いエルドラの元へと来る蜘蛛まで、蜘蛛が視界に入らない場所は全くなかった。


退路すら断たれたエルドラは、予め用意して置いた松明に火を灯し、全身から目元以外の肌が露出しないよう布で補強した鎧をもう一度確認をして、剣を抜いた。


蜘蛛の攻撃は、まさに人海戦術だった。子蜘蛛が敵に張り付いて、その毒の牙で敵を殺すやり方を主に、多種多様な攻撃でエルドラを翻弄してきた。
エルドラは布で肌の露出を抑えてなければ、今頃やられていただろう。それだけ子蜘蛛の数は多く、だが布を越えて毒の牙を届かせるものはいなかった。

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