エルドラ戦記 18
「うん、いっくよー!!」
フェリアの返事と共にエルドラ達は体が引っ張られる感触と共に視界が暗転して時空をねじ曲げて飛ばされていった。
ゴディバ山
その険しい山の中腹の辺りにエルドラ達は飛ばされていた。
だが、何やら様子が変である。全員がうずくまり目を回している
「うぅ…まだ気持ち悪い。どうやら長距離のワープは負担が大きいようだ。昨日はこんなでもなかったのに……」
エルドラ達は長距離のワープによりワープ酔いを味わっていた。まだ登山も始まってすらいないのに、前途多難である。
「やっぱり森からここまでは君でも厳しかったようね。
えい!!キュアラ!!」
フェリアはワープ酔いをしてるエルドラ達をみて、フェリアは少し無理をさせたと感じたのか、エルドラ達に状態回復の魔法を掛ける。
「吐き気が止まったわ。」「・・・・・・・(妖精が高度な魔法を使えるのは本当だったのね。)」
「ありがとうフェリア。」
「礼を言うなら依頼を遂行してね。」
「解ったじゃあ、シェリアの花のある頂上まで案内してよ。」
礼を言うエルドラに対してフェリアはそっけなく返事をするが、エルドラは腹を立てずにフェリアに花のある所まで案内を頼む。
「私に付いて行けば解るわ。」
「…………」
「ちょっとあの態度、妖精だからって偉そうにジェラさんもそう思いません。」
「まあまあ、エルドラが決めた事だ我慢しよう。」
フェリアは自分について行けば解るとツンケンした態度で飛びながらエルドラ達を頂上へ案内する。
フェリアの人間を見下した態度にミモナはジェラに愚痴をこぼすとジェラはミモナを宥める。
かくして一行の登山が始まった。
むちゃくちゃな高山というわけではないらしく、雲は頂上をかする程度の高さに浮かんでいた。
「土地が痩せてるね。」
「山地だしね。このあたりは雨も少ないし、大木が育たないのよ。」
エルドラの一言に、ミモナが解説した。
「よく知ってるね。」
「これくらいは魔術師として当然よ。」
ミモナはちょっと自慢げだ。
しばらく登ったとき、それは現れた。