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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 95

「サフィア!リンダ!お前らは今の内に逃げろ!」
緊迫した声でアルスが叫ぶ。その間にもアクシミリアンの鋼鉄棍棒が振り回される。
「はい!」
サフィアがリンダの手を取って走り出す。
「逃がさぬぞっ!!!」
「おっと!お前の相手は俺だぜ…?」
アルスは立ちはだかるように身を置いて、反撃の隙をうかがう。
「…小癪なっ!!叩き潰してくれるわっ!!!」
ありえないような強力俊敏の打撃を、アルスは徹底して回避する。
もし受け止めたりすれば、刀をへし折られてそのまま撲殺されてしまうだろう。
「小生意気な若造めがああぁぁっ!!!!」
叫びながらさらに鋼鉄棍棒が一閃。
横になぎ払われたそれを右に転がって避けたアルスは、反撃しようと起き上がり、アクシミリアンの胸めがけて刀を突き立てようとする。
「甘いわっ!!」
「何ぃっ!?」
だが、アルスが自信をこめて放った一撃をアクシミリアンは棍棒で受け止める。
「貴様の手口などお見通しでおじゃる!」
「く…っ!!」
アルスは飛び退き、それを追うように一撃が繰り出される。
このままではラチがあかない。アルスは考える。
(チクショウ、マジでどうにかしねえと…)
すでに辺りの地面にはアクシミリアンの棍棒で出来た穴がいくつも出来ていた。
「(…そうだ!)アクシミリアン、話がある!」
「何じゃ!?遺言か!!」
「いや違う!取引だ」
「ふざけるな!!何を世迷い事を…」
さらに2回、アクシミリアンの攻撃が繰り出され、危ういところでアルスは避けた。
「アクシミリアン!なぜリンダが俺に股を開く気になったと思う!?」
「何ぃっ!?」
攻撃の手が止んだ。
「そんな事マロが知るか!!あの尻軽女に聞けば良いでおじゃる!!!」
「教えてやる!お前がリンダの心を手に入れる事が出来なかったからだ!」
「フン…何を言い出すかと思えば、苦し紛れの言い訳でおじゃるか」
「違うぜ。女ってのは心と体、その両方を手に入れねえと本当に自分の物になったとは言えねえんだ。お前ぐらいの金と権力がありゃあ好きなだけ女を囲えるだろうが、それじゃあ女は心からお前の物にはならねぇのさ」
「…ソナタはそれが出来ておると申すのか?」
「ああ!とても簡単な事さ。女を喜ばせてやりゃ良いんだからよ!」
「喜ばせるじゃと?」
「そう!自分だけじゃなく相手も気持ち良くしてやる!これなんだよ!」
考え込むアクシミリアン。アルスは一気にまくし立てる。
「もしお前が望むなら俺が教えてやるぜ?女の喜ばせ方ってヤツを…」
だが、そこに割り込んできた者があった。
「閣下!その男に騙されてはなりません!!」
「シルビア!」
そこには完全武装したシルビアが立っていた。
「お下がりください!この男、先ほども私の閨に忍び込んで参りました!もう許せません!」そう言うとシルビアは剣を抜いてアルスに斬りかかった。

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