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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 83

軍勢はおよそ300人ほどで“軍”と言うには少々規模が小さいが、いずれも戦に慣れた精悍な若者達ばかり。その中には女達の姿もちらほらあった。ドンの隣には大きな戦斧を担いだエイラがいる。
「奥さんも戦うのか?」
「南蛮の女をナメたらあきまへんで?男共には負けへんよ」
「そいつは心強いぜ!」
アルスは居並ぶ戦士達の前に立って言った。
「敵を倒して分捕った食糧、金、武具は全部お前らの物だ!旧ノーマの貴族様方にお前らの強さを思う存分教えてやれ!」
「「「オォーッ!!!」」」

ジェロルスタンを出発した一行は、まずアクシミリアンを拾うためにオルストリアに寄った。
「な…何でおじゃるか!?この軍勢は!?」
アクシミリアンはアルスが連れて来た軍勢を見て驚愕の声を上げた。浅黒い肌、腰に布を巻いただけの裸に近い格好、女は何のためらいも無く乳をさらけ出しているし、頭に羽飾りを付けている者や、顔や手足にペインティングをしている者もいる。生粋の貴族である彼から見れば、まさに異形としか言いようが無かった。
「何だよ?我がジェロルスタン州の精鋭部隊に何か文句があんのか!?あと“おじゃる”って何だよ?」
「文句大ありでおじゃる!例え形式上の事とは言え、こんな土人共の集まりを栄えある我がオルストリア州の軍として認める訳にはいかぬでおじゃる!ていうかソナタ伯爵のクセに公爵のマロにタメ口を聞くとは無礼でおじゃるぞ!!」
「何ぃ〜っ!?」
「お二人とも、冷静に…!」
シルビアが二人の間に割って入った。
「アンタは…?」
「オルストリア州軍司令官のシルビアと申します。この度はアクシミリアン閣下の護衛として従軍させていただきます。一つ私に提案が…」
「何だ?」
「申してみよ」
「はい。とりあえず折衷案として、アルス閣下の兵達に我が軍の軍衣を着せてはいかがでしょう?軍衣なら倉庫に大量に予備がございます」
軍衣とは鎧の上から着る袖無しの服で、国章や家紋が刺繍されている。
「う〜む…百歩譲って裸でないならば我慢してやるでおじゃる」
アルスはドン達に尋ねた。
「おい、服着ろってよ。どうする?」
「服なんて着て戦えるかいな!ゴワゴワして動きづらいわ!裸こそワイらの力を100%発揮できる戦闘スタイルやねんぞ!?」
「ちょお待ちや、アンタ」
エイラが言う。
「戦場ってここからずっと北の地方なんやろ?たぶん寒いで」

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