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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 72


洞窟を後にしたアルスとサフィアはライラの案内で密林を出た。
金銀財宝を期待して密林の探検にやって来たアルスであったが、最終的には財宝など比べ物にならないほど貴重な物を手に入れた訳だ。南蛮人達の盗賊行為も止めさせる事が出来た。
そして…
「ライラ、今までありがとうよ。約束通り、お前の仲間は解放してやるから一緒に村に帰れ」
「い…いや…その…」
「何だ?」
「ウチも…お前らの…その…」
「だから何なんだよ?お前って、たまに歯切れ悪いよな」
「もう〜、アルスさん鈍すぎますよ〜。ライラさんは本当はアルスさんと別れたくないんです」
「ゆ…言うなサフィア!アホ〜!」
「何だ、そうなのか?」
『昔、好意を寄せる相手に対して素直になれない人間を指す用語があったです。確かツンデ…』
「やめれ〜!あぁ〜ん!!」

ライラは真っ赤になってハルに飛びかかり、盛大に地面に激突した。
「だ…大丈夫ですか〜?ライラさん」
「アイタタタタ…ハルに実体が無いの忘れとった…」
『アホなヤツなのです』
「ほら、立てよ」
アルスはライラに手を差し伸べて言った。
「お前がついて来たいと思うなら勝手について来い。俺は別に止めねえぜ」
『来る者は拒まず、去る者は追わず』が、この男の一つの信条だった。
「ゴホン…ホ…ホンマは帰りたいけど、しゃあない!これから州を統治すんのに南蛮との調整役とか必要やろ。ウチが城に残ったるわ!」
「フフン…別に俺はそんなもん無くたって良いんだぜ?」
「な…何やて?」
『二人とも素直じゃないです。「ついて行きたい」「来て欲しい」って正直に言えば良いのに…』
「そこが人間の難点であり、面白い所でもあるんですよ、ハルさん」
そうして一行はジェロルスタン城に帰ったのであった。

「サ…サフィアさん!本当に良い所に戻って来てくれましたぁ〜!!」
城に戻ったアルス達をまず迎えたのはエルザだった。
「何だエルザ?主人の俺よりまずサフィアか」
「あっ!も…申し訳ありません、ご主人様!実はお姉様が…お姉様が…」
「アイシャがどうした!?」
「お姉様が産気づいたんです!!!」
「何ぃ〜っ!?」

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