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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 71

『そっかぁ…そんな風に考えた事、無かったです。私は人類の科学文明を維持するためだけの存在だと思ってたですから…。だから妹達の暴走から文明を守れず、崩壊させてしまった後は、私はもう無意味な存在、かつての栄光の残りカスだと思ってたです…』
感情など持ってしまったばかりに、ハルはこの5000年間をずっと悔やみながら過ごしてきたのだ。
『でもお前達に会って、私は新しい目的が出来たです!自分がまだこの世界に存在している理由が分かったような気がするです!』
「そりゃ良かったぜ!な〜に、5000年も待ったんだ。あと2000〜3000年なんてあっという間だろ」
『はいです!ハルの耐久年数は1億年!余裕です!!』
「オクって何だ?」
「10の8乗ですよ〜」
「ウチ100より上は数えられへんねん」
『フフフ…お前達は本当に変なヤツらです!私を見ても逃げなかったし…何だか、私が生き残ったのも、お前達が今日ここに来たのも、偶然じゃないような気がするです。何か、人智を超えた自然の意思というか…宇宙の意思というか…』
「教えてやるよ。それを人間は“神様”って言うのさ!」
『神様か…今なら何だか分かるような気がするです。おい男、お前の名前は何と言うですか?』
「アルスだ」
『“大地”という意味ですね。お前が気に入ったです。私、お前に付いて行くです!』
「は?付いて来るったって、お前の本体はメチャクチャ馬鹿デカくて地下に埋まってんだろ?」
『心配無用です!』
すると、中央の台座の一部が引き出しのように開いた。ライラが中を覗き込んで言った。
「あ…ビー玉や!」
『ビー玉じゃないです。それは私の出力装置の端末なのです』
よく見るとビー玉の内部には極小の複雑な機械が入っている。
「つまりこのビー玉を持っていれば、いつでもどこでもハルさんと会える訳ですね〜?」
『ビー玉じゃないと言うに…まぁ、そうゆう事です』
「こりゃ良いや!古代の知恵を借りたくなった時にも、いちいちココまで来なくても良いって訳だな!?」
「ハルさんの知識があれば州の再建もきっと上手くいきますね〜!」
「ああ!もしかしたら何年かで、さっきみてえな街が出来るかも知れねえな!」
『さすがに数年では無理です〜。いくら知識だけ与えても、基礎工業力が無きゃ、どうしょうも無いです。社会の価値観や宗教も邪魔してくるですし、少なくとも数百年はかかるです。まぁ、お前達には今の科学技術に見合った知恵をくれてやるですよ』
「何かバカにされてるような気がするのは気のせいか…?」

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