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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 70

「「「……」」」
アルス、サフィア、ライラは何も言えなかった。表現する言葉が見つからなかった。
一人だけに戻った少女の姿のハルが言った。
『私は文明のレベルを維持しようとしたクチですが、それが正しかったのか間違いだったのかは分からないです。戦いの中で妹達の何基かは破壊されたですが、生き残った妹達とも連絡が取れず、起動しているのか停止しているのか壊れたのかも分からないです…』
アルスが口を開いた。
「…結局、ハル達に頼り過ぎたせいで、人間は滅びちまったんだな…」
「知らんかった…神の力っちゅうんは遠い昔に栄えた文明の事で、神の怒りの炎はハル達の姉妹ゲンカやったんやなぁ…」
「世界中に似たような神話や昔話がある訳ですねぇ…。ハルさん、最後に一つだけ教えてください。今、人間は衰退していますか?それとも再び進歩していますか?」
『私にはもう外の様子は判らないですが、お前達みたいにたま〜にこの洞窟に迷い込んで来る人間の服装や装備品を見ていると、どうやら文明は再び進歩し始めたみたいです。3000年前なんて、まだ青銅器だったですから』
「本当ですか!?」
サフィアは笑顔で言った。
「何だ、サフィア?やけに嬉しそうだな」
「それは嬉しいですよ〜。だってこのまま進歩していけば、また、さっき見たような街を造れるようになるって事なんですよ〜?」
「でもウチらの生きとる内にはとても無理やで?きっとまた何千年も先の話や」
「良いじゃないですか〜。だってその街を造るのは私達の血を引いた遠い子孫達なのかも知れないんですよ?そう思うと素敵じゃないですか〜」
「サフィア、意外とロマンチストなんだな。まあ、原始人に退化されるよりはマシか!」
『でも、そうなったら人間は、また同じ事を繰り返すと思うです。私達のような機械に全てを任せて、破滅の道を歩むです…』
「う〜ん、それは…」
口ごもるサフィア。そこにアルスが突っ込む。
「何言ってんだよ。それを防ぐためにハルがいるんじゃねえか」
『え…どういう事です?』
「だってお前は知ってるんだろ?お前らに頼り過ぎた人間がどういう道を辿ったか…。だから今度は同じ間違いをすんじゃねえぞって、お前が教えてやりゃ良いじゃねえか!」
「せや!今はまだ幽霊扱いやけど、科学が進んでウチらの子孫がハルの事を判るようんなったら、子孫共にご先祖様の失敗談を聞かせてやってくれや!ライラっちゅう、えらいベッピンさんのお願いやっちゅうてな!」
「テメ!何ドサクサに紛れて名前残そうとしてんだよ!?」
「あ…サフィアも連名でお願いします〜」
「お前もか!」
「冗談ですよ〜」
そのやり取りを見ていたハルは言った。

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