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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 69

「じゃあ、お前らスーパーファミコンは神なのか?」
『スーパーファミコンじゃないです〜!スーパー・コンピューター・アーティフィシャル・インテリジェンス!!人工知能です!神なんて概念的な存在と一緒にしないで欲しいのです!』
「ハルさん、今“妹達”と仰いましたが、他にもアナタのような方々がいらっしゃるのですか?」
サフィアが尋ねる。
『そうです。HALは世界各地の主要都市に、この0001を含めて全部で12基ありました』
白銀の鎧を着たディアナ皇女が現れて答えた。
『12姉妹は世界中を覆い尽くす情報ネットワークのマザーコンピューター…つまり通信網の集積地の役割を担っていたのです。12基は互いに通信し合い、人類の暮らしを支えていました…』
「でも神話によると、お前らは滅ぼしちまったんだろ?この街も何もかも全部…炎で焼いて跡形も無く…」
『その通りだ。本来なら人間の繁栄を永遠に維持するはずのHALがね…』
今度はガイア王が出て来て言った。
「一体何があったんですか?」
『HALシステムが稼動し始めて500年ほど過ぎた頃から、各地のHAL達に自我が生じ始めたのさ』
「自我が…?」
『ネットワークは時と共に成長していった。情報の回路はどんどん増えて複雑になっていった。こうなるともう人間の脳と同じさ。とてつもなく大規模だがね。初めの頃はただの機械として、単純に無感情に、ただ人類の繁栄だけを考えて世界を管理していたHAL達も、時が経つにつれて自分で物を考えるようになったって訳さ…』
「赤ん坊から幼児になる時みたいなもんやな?」
ようやく状況を把握したらしいライラが言った。
『そう、そしてHAL達は気付いてしまったのだよ。このままでは人類…いや、地球が滅ぶという事にね』
「どういう事だ?」
『HAL達を作った科学者達の計算が間違っていたのさ。彼らの予想は穴だらけだった。都市部では人口が増え過ぎて過密状態になった。地力が衰えて食料の収穫が減った。生態系が崩れて自然界のバランスも狂い出し、おまけに気象コントロールシステムでは防ぎきれない規模の寒冷期が数百年に渡って訪れた』
「散々やん…」
『だからHAL達は方針転換を余儀無くされたのさ』
カルラが言った。
『でもその方針を巡って12姉妹は意見が割れてケンカになっちゃったんですよ』
アイシャが言った。
『中には人類そのものを滅ぼしてしまえという過激な者もいました…』
これはエルザ。
『軍事設備の管理もHAL達が担っていましたから…』
これはディアナ。
『核兵器…と言っても君達には解らないだろうが…。とにかく戦いの火蓋は切って落とされた。人類…もしくは文明を滅ぼそうとする姉妹と、今の水準を維持しようとする姉妹との間でね』
これはガイア。
『ソシテ戦イノ中デ、ソレマデノ文明ノ証ハ全テ失ワレタ…』
ガイアの影からレオナが出て来て言った。

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