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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 68

「す…すげえ!俺のタイプのド真ん中みてえな女じゃねえか〜!!」
『うふふ…どう?アナタの脳波を読み取って理想の姿に設定変更してみたのぉ…私と一緒にイイ事しなぁ〜い?』
アルスは思わずハルの爆乳に手を伸ばすが、やはりすり抜けてしまう。
「チクショー!触れねえ!ヤらせろ〜!!」
「アルスさん、落ち着いてください。ハルさん、あなたが凄いのは良〜く分かりました…」
『そうかい?いや、こっちのバカと違って、お前は本当に理解が早くて助かるよ!』
ハルは再び姿を変えた。アルスとサフィアの良く知っている人物だ。
「カルラ様!?」
「な…何でお前、こんな所に!?いつの間に!?」
『だ〜か〜ら、アンタ達の頭ん中を読み取って知り合いに化けてるだけなんだよ〜』
今現在、カルラに対して重大な秘密を抱えている二人は内心ビクビクだった。
「そ…それでカルラ様…いえ、ハルさん、あなたは一体何の目的で作られ、何千年もの間この洞窟の中で生き続けていたのですか?」
『聞いてくれますか?私の身の上話』
『ちなみに一度に最大10人まで分裂可能なんです』
ハルは今度はアイシャとエルザの姿になった。
「ちょっと面白えな、こいつ…」
ハル扮するアイシャとエルザが語り出した。
『今から約6000年前、人類の文明は現在とは比べ物にならない程進んでいたんです…』
『食料生産、人口調節、都市建設、果ては気温や天候まで…全てが精密なコンピューターにより管理され、人々は安全で豊かな生活を享受していました…』
周囲の壁や天井が当時の都市の様子を映し出した。
雲の上まで届いているのではないかと思えるような高層建築が建ち並び、街を行く人々はシンプルだが洗練されていて動きやすそうな服装をしている。
通りには四輪の車が、馬もいないのに物凄い速さで行き来している。空高くには轟音を立てて巨大な鳥のような乗り物が飛んでいる。
それは実物と寸分違わぬほどリアルで立体的で、アルスとサフィアはまるで本当にその都市の街頭に立っているかのような錯覚に陥った。
『…で、そのコンピューターってのが、この私と妹達、スーパー・コンピューター・アーティフィシャル・インテリジェンス“HALシリーズ”だったのです!』
ハルが最初の少女の姿で現れてアイシャとエルザの間に立ち、平べったい胸を反らして自信満々に言った。
だがアルスとサフィアは呆気に取られて、ポカーンと口を開けたまま立ち尽くしている。
「う〜ん…何や周りがうるさいなぁ…って、ええぇぇ〜っ!!?何やねん!?こん大都会は!?こんな大量の人間、ウチ初めて見たわ!!!」
ライラが目覚めて田舎から出て来たばかりの“おのぼりさん”みたいな事を言い出した。
「…ハル、お前がこの街の…この世界の全てを司ってたってのか…」
アルスは目の前の光景を見つめたまま言った。

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