PiPi's World 投稿小説

アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 65
 67
の最後へ

アルス正伝 67

次の瞬間、三人は更に信じられない物を目にした。中央の台座の上に人影が現れたのだ。それは頭の上から足の先まで数秒間かけて徐々に姿を表した。
「ギャアアアアァァァー―――ッ!!!!出たああぁぁぁー―――っ!!!?」
ライラはアルスの頭の後ろで思っきり叫んで、小便を漏らして再び気絶した。
「う…うるせえぇっ!!!テメェは本当に俺の鼓膜を破りてえのかっ!?小便まで漏らしやがってぇ〜っ!!」
『あのぉ〜…大丈夫ですかぁ?』
壇上の人物がアルスに話しかける。
「あぁ!?テメェのせいだぞコンニャロー!!」
『はわわ…ゴ…ゴメンナサイですぅ!!』
それは長い髪にシンプルな白い服を着た10歳くらいの美少女だった。彼女の体は半透明で、向こう側の壁が透けて見えた。
「あ…ああ…あの…あなたは…その…古代の幽霊さんなんですかぁ?」
さすがのサフィアも声を震わせて尋ねる。
『よくぞ聞いてくれたのです!私こそ人類の英知を結集したスーパー・コンピューター・アーティフィシャル・インテリジェンス…その名もHAL0001なのです!』
「ハル…0001…さんですか?」
『はい!マスターには“春一番”と呼ばれてたです』
「ハルさん、あなたを作ったのは大昔の人達なんですか?」
『はい!私は今から5917年と82日と9時間と26分と15秒前に着工し、完成したのは5917年と42日と…』
「ああ…いいです。すっごい昔だって事が分かりました」
「お前、何なんだ?幽霊じゃねえみてえだし…」
『ププッ…幽霊だなんて非科学的な物を信じてるですか?私を作ったマスター達の子孫がこんなアホに退化してしまったとは、嘆かわしい限りなのです』
「サフィア、なんか腹立つぞコイツ…」
「まあまあ、アルスさん。この方は古代の…そうですねえ…“使い魔さん”とでも言いましょうか…そういう方なんです」
サフィアには“コンピューター”という概念は無かったが、ハルが人間に使役される存在なのであろう事は何となく分かった。
『ふ〜ん…こっちの娘はこのアホに比べたら多少は物分かりが良いみたいですね』
「テメェ!ガキだからって調子に乗るんじゃねえ〜!!」
アルスはキレて壇上に上がり、ハルに飛びかかった。ところが…
ドシンッ!!
「へ…?」
アルスはハルの体をすり抜けて壇上から転げ落ちた。
「ど…どうなってんだ!?」
『フフン…無駄な事なのです。私はただのホログラム、本体はこの部屋の地下の空間に100uに渡って広がる巨大コンピューターなのですから』
「つまり今、私達の目の前にいるアナタは仮の姿なのですね?」
サフィアが言った。
『そういう事です。今、私の出力装置の設定は10歳くらいの少女になってるですが、ちょっと変えてやれば…』
と言うが早いかハルの姿はたちまち20代くらいの魅力的な爆乳の女になった。服装まで際どい物に変わっている。
『こんな事も出来るのよぉ〜?』

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す