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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 51

アルスは壁に掛けられたジェロルスタン州の地図に歩み寄る。その地図は下の三割ほどが空白だった。彼はその空白部分を指差して言った。
「これだ!南部に広がる大密林地帯!俺はここを探ってみるぜ!」
「アルス、正気かい!?そこはもう私達の世界の外だよ!?」
「世界の外だの内だのなんて誰が決めたんだよ?別にあの世に行こうって訳じゃねえ。人間が住んでるんだ。行って戻って来れねえ事は無えだろ」
「案内も無しに未知の土地に踏み込むなんざ自殺行為だよ!」
「なぁに、案内ならいるさ」
「え?」
「あの南蛮の盗賊さん達ですね?」
「そうだ。俺はあいつらを案内役にして南部の密林を調べ上げる!俺が治める領地の中に空白地帯なんて認めねえ!ひょっとしたら凄え物が眠ってるかも知れねえしな!」

さて、無謀にもアルス達を襲って捕らえられた賊共は、城の地下にある牢に入れられていた。
「出せっちゅーとるやろ!こんバカチンがぁ!!」
「ワイらをどないするつもりやねん!」
彼らは牢に入れられても全くメゲる様子が無い。
「まったく、勘弁してほしいよな…」
「あの南方訛りでずっとがなり立てるんだもんな…耳がおかしくなりそうだよ」
番兵の方が参っているようだった。
「よぉ!囚人共は大人しくしてるか?」
「あ、アルス様!」
「それが…ご覧の通りです」
アルスの姿を見た賊共は一層ギャアギャアと騒ぎ出した。アルスは気にする風も無く賊共の檻の前を通り過ぎ、一つの檻の前で立ち止まった。その中にいたのはあの女だった。
「よぉ、姉ちゃん!元気か?」
「バカタレ!北方人にはこれが元気に見えるんか!?」
「あぁ、元気いっぱいだな。おい、こいつを出せ」
「し…しかし…」
「その代わり逃げられねえように、手錠と分銅付きの足枷をシッカリはめとくんだぜ。そうだ、服も全部脱がしちまえ!」
「はっ!」
番兵達は女を押さえ、彼女の着ている獣の皮の服を剥ぎにかかった。女は大声を張り上げて暴れた。
「何すんねん!止めろや北方人!!お前らウチの体が目当てやったんかぁー!?」
「うるせえなぁ〜、南蛮の女ってのはみんなこうなのか?」
番兵達は顔を引っかかれながらも何とか女を裸に剥き、手枷足枷で拘束してアルスの前に引きずり出した。

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