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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 50

「カルラさんの言う通りですよ〜!」
「そうです、ご主人様。ここは最悪です!」
「ちょっと待てよ、お前ら。せっかく貰ったんだ。手放すならやれるだけやってからでも遅くはねえだろ。な〜に、物は考えようさ。最悪って事は、これ以上悪くなる事は無えって事だ。逆に言えば、やり方次第でいくらでも良くなるって事じゃねえか!俺はやってやるぜ!自然相手に俺の力がどこまで通じるのか試してみてえしな!」
「さすがアルスさん、やっぱりそう言うと思ってました〜。私、全力でサポートいたしますよ〜」
サフィアは手をパチパチ叩いて言った。
「サフィア…お前だけでも分かってくれて嬉しいぜ!」
「あ、あ〜!!わ…私達もご主人様に賛成ですよ!ねえ、エルザ!?」
「はい!私達どこまでもご主人様についていきます!!」
「お…お前らなぁ…まあ良い、ありがとよ!」
慌てて意見を変えるアイシャとエルザ。
「し…仕方ないねえ…サフィアが残るってんじゃ、主人の私も付き合わざるを得ないじゃないか!」
カルラも折れた。本当に嫌なら無理矢理サフィアを連れて出て行けば良いのだが、彼女もアルスと別れる気は無いのだ。
「…で早速だがサフィア、この州を復興させるにはどうすれば良いんだ?俺は領地の経営なんてした事無えからサッパリ分からん」
「そうですね〜、あまりにも負の要素が多すぎて、どこから手を着ければ良いのか迷ってしまいますが、とりあえず土壌改良のために放牧をしましょう」
家畜の糞によって土を肥やそうという考えだ。家畜が食うような雑草ならその辺に大量に生えている。翌年はその土地を畑にする。牧場は別な場所に移す。三つの土地を使って、牧場→畑→休耕地→牧場…というように輪作していくのだ。
「何か良く分かんねえが、とにかく凄えぜ!それで…?」
「山林を回復させるために植林を行いましょう。ここに来る途中、山肌に地滑りの跡を多く見ました。地盤が弱まっているんです。森は保水力もありますから大切です。ここは南方ですから、雨の季節になると水害が心配です。天然のダムである山が禿げ山と化した今、治水の必要も…」
「「「……」」」
アルス、カルラ、アイシャはもうサフィアが何の話をしているのか理解出来なかった。
唯一エルザだけは話について行っているようで、所々で口を挟んだ。
「疫病の発生を少しでもを抑えるために領民達に清潔を心掛けさせましょう。それと漁場が回復しているかも知れませんから、一度調査してみては…」
「サフィア、エルザ、いったんストーップ!」
ついにアルスは声を上げた。
「サフィア、ジェロルスタン再建はお前に全て任せる。お前が総責任者だ。エルザ、お前はその補佐をしろ。俺には話が難しすぎてサッパリ分からねえ。俺は俺に出来る事をやるぜ」
「アルスさんは何をするんですか?」

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