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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 52

「は〜な〜せ〜!!」
「別に今すぐお前をどうこうしようって訳じゃねえよ。頼みがあるんだ」
「頼み…?」
「ああ、俺はお前らの土地がどうなってるのか知りたいんだ。だから案内を頼みた…」
「あぁ〜!!」
「な…何だよ!?」
「お前ら、ウチらの土地を侵略する気やな!?」
「侵略か…有り体に言えばそうだな」
「ふざけんな!!ウチは絶対に案内なんてせえへんぞ!他のみんなもや!!なあ、みんな!!」
「そうや!そうや!」
「誰が北方人に故郷を売るような真似するかいな!!」
アルスは溜め息をついて言った。
「そうか…じゃあ仕方ねえな。案内してくれたらお前ら全員を無罪放免にしてやろうと思ってたけど、やっぱり法に則って全員死刑にする!」
「あ…あかん!今のはウソや!」
「せや!南蛮流のジョークやねん!」
「ライラ!ここはひとまず案内だけしたれ!」
「わ…分かったわ!」
もちろん嘘なのだが、彼らはものの見事に引っかかった。良くも悪くも純粋なのだ。
「ライラ…ライラって、お前の名前か?」
「え?い…いや、そんなん知らんわ!ライラって誰?」
「そうやでライラ!北方人に名前なんて教えたる事ないで!」
「やっぱりライラか…」
「アホウ!バレたやないか!!」
面白い人間達だ…とアルスは思った。

数日後、アルスはライラを案内役に南部の大密林へと足を踏み入れた。お供にはサフィア一人だけを連れて行く事にした。未知の土地ではサフィアの知識が約に立つと思ったからだ。
既に州再建計画は動き出しており、サフィアの不在中はエルザが代理責任者となって指導する。アイシャは身重だから密林行はキツい。また、留守中に城が盗賊に襲われたら戦いの指揮を取る者が必要となるため、カルラにも残ってもらった。
「さあ〜、行こうぜ!」
「ちょ、まてやコラ!何やねん、この大荷物は!?」
「一週間分の水と食料ですね〜」
「それを何でウチが背負わなあかんねん!」
「そりゃお前、そんな大荷物サフィアに背負わせたら折れちまうだろうが?お前しかいないだろう」
「お前が背負ったらええやないか!男やろ!?」
「分かってねえなあ…」
「何が分かってへんちゅうねん?」
「つまりですね〜、ライラさんは今現在アルスさんの“奴隷”という事なのです」
「ど…奴隷やて!?ふざけんな!!」
「ふ〜ん、良いのかな?そんな反抗的な態度をとって…俺の一存でお前ら全員が無罪か死刑か決まるんだぜ?」
「クゥ〜…いつか絶対泣かしたる!!」

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