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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 6

可愛い奴隷が犯されたと分かれば、カルラは怒り狂ってアルスを殺しに来るであろう。
一年ほど気の休まらない日々が続いた。だが恐れたカルラの復讐は無かった。
サフィアは犯された事をカルラに告げなかったし、心配した妊娠も無かった。真に幸運な事だ。
アルスが自分専用の性処理奴隷を買おうと考えたのも、この一件が影響していた。
アルスにとっては苦い記憶である。
「ところで、今回の戦いの総大将は誰なんだい?」
アルスは話題を変えようと思い、尋ねた。これだけの大軍だ。統率するには相当な指揮能力のある人物でなければならない。
「総司令官はディオナ皇女殿下だとさ」
「あ!その人なら知ってます。皇族の身でありながら軍を率いて数々の戦いで勝利を修め、戦女神って呼ばれてる方ですよね!!私、奴隷になる前からディオナ様の話を聞いてて、ずっと憧れてたんです!!」
アイシャが興奮した様子で言った。
鎧を身にまとい戦うお姫様は少女達の憧れの的だった。だが実際に指揮官として優秀なのかと聞かれると微妙である。
「その皇女様はお飾りだな。副司令官は?」
「グランディス元帥。参謀にはガイアール中将、ドルン准将…」
「へぇ…匆々たるメンバーじゃねえか。ガイアールのハゲにはエキリア戦で苦戦させられたっけなあ…」
いずれも歴戦の名将であり、傭兵ならばその名を聞いただけで震え上がる者もいるだろう。
「ところでアルス、あんた今どこの部隊にも属してないんだろ?」
「ああ、まあな」
「なら私達の隊に入りなよ。ちょうど一人欠員も出たしさ」
カルラはさっき自分が殺したボスの死体の方を見て言った。
「隊長が不慮の死を遂げた今、副隊長の私がこの部隊を率いる。ノーマ軍傭兵団第731小隊。隊員はここにいる連中も含めて約20名。あんたは私の副官として待遇する。どうだい?悪い話じゃないだろ」
「俺がお前の副官?他人の側にくっついて補佐するなんざ俺の性に合わねえよ」
「はっはっは!あくまで副官“待遇”さ。正規軍じゃないんだから、その辺は適当にやっときゃ良いんだよ」
「そういう事ならOKだ!」
「よし、決まった!あんたが仲間に加わってくれりゃ、もう怖いもん無しだ!」
二人のやり取りを聞いていた傭兵達は話し合う。
「カルラさん、あのアルスって男をずいぶん評価してるみたいだが、あいつそんなに強いのか?」
「ちょっと待てよ、何か聞いた事ないか?アルスって…」
「そうだ!『無双のアルス』だ」

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