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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 5

それはさながら獣の群れの王のようだった。どうやらこの連中を実質的に仕切っているのはカルラらしいな。アルスは剣を納めながら思った。何にしろ頼もしい味方が加わったものだ。こんな風にいつ裏切るか分からんが、強いし、良い女だ。それだけで充分ではないか。
「そういやカルラ、お前の奴隷元気か?」
「もちろんさ。おい、サフィア!」
カルラが名を呼ぶと、男達の後ろからもう一人、女が出てきた。殺伐とした傭兵共とは明らかに異質な、ほんわかとした優しそうな女だ。
彼女はアルスを見てニッコリと笑う。その微笑みは、美しさもさることながら、殺伐とした空気を一瞬で消し去ってしまうほどの慈愛に満ちていた。
このサフィアと呼ばれた女はカルラの奴隷なのだが、大変に頭が良く、カルラの知恵袋的な存在であった。
本来ならどこかの国の軍師か宰相になれるほどの頭脳の持ち主なのだが、どこでどう間違ったのか、カルラの奴隷になっていた。ちなみにカルラは両鞘…すなわち同性愛の気もあった。
「あらぁ…アルスさん、奇遇ですわね。何しに来られたのですかぁ?」
どうやら今までの会話を全く聞いていなかったらしい。そのボケっぷりに全員が脱力する。彼女の才知を知らなければ単なるバカにしか見えない。
「あのぅ…この方達はご主人様のお知り合いなんですか?」
それまで黙っていたアイシャが口を挟んだ。
「あぁ…知り合いっていうか、昔一度だけ同じ部隊で戦っただけなんだがな…」
「なぜかお互い印象に残ってたんだよな…あ!そうだ!サフィアが妙にお前の事よく覚えてて、事あるごとにアルスアルス言うもんだから私も忘れなかったんだよ。こいつが他人に興味示すなんて珍しいからね」
その言葉を聞いたサフィアは顔を赤くし、アルスも少し気まずそうに言った。
「そ…そうか、たぶん俺の剣が珍しかったんだろ。うん、そうだよな」
こいつら、やったな。その二人の様子を見たその場の全員が感づいた。ただ一人、鈍感なカルラを除いて。
ウェルシュ戦に赴く途中の野営地で、アルスは一人でウロウロしていたサフィアを物陰に引っ張り込み、犯した。処女膜は既にカルラの手で破かれていたが、サフィアにとっては初めて受け入れた男であり、事実上の初体験だった。アルスはサフィアをさんざん犯した挙げ句、どうせ他人の奴隷だと中出しまでした。戦いが終わった後、あの鉄球を振り回していた女傭兵が可愛がっていた奴隷だと分かり、金を貰うと逃げるように姿を消した。

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