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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 37

「なぁ〜んか気に入らねえなぁ…こういうやり方はよ」
だが一臣下に過ぎないアルスにはどうしようも無い事であった。彼も今や一個連隊を指揮する大佐の地位を与えられたビブリオン軍人だった。

ある村を襲った時の事であった。虐殺に参加する気の無いアルスは自分の部隊を連れて村の外れで事が終わるのを待ってた。すると味方の伝令兵が焦って飛んで来た。
「ア…アルス大佐!助けてください!村に物凄く強い傭兵の一団がいまして…!!」
アルスの剣の腕は既にビブリオン軍内で知られていた。
「俺は知らねえ。そんなもんテメェらで片付けな」
「そ…そんな事を言わないでください!味方が次々に殺されているんですよ!?」
「テメェらは今まで散々女子供を殺して来たじゃねえか。殺されても文句言える立場じゃねえだろ」
「でも敵のリーダー格の女傭兵が強すぎて全く手が出せない!せめてそいつだけでもアルス大佐の手で…」
「だから俺は…ん?女傭兵?」
アルスには心当たりがあった。
「カルラ!やっぱりお前だったか!」
アルスの予想通り、傭兵の一団とはカルラと部下達だった。
「何だよ〜!抜け目無いお前の事だから、てっきり上手く逃げてるかと思ってたぜ?」
「回復に意外と時間がかかっちまってね、退却の途中で寄ったこの村に留まって養生してたって訳さ。こいつらも一緒にね」
「へへ…旦那、お久しぶりでごぜえます」
「お前ら、意外と義理固いんだな。だがそういう事なら心配すんな。ガイア王に話をつけてやるよ」
「許してくれるかなぁ?私ら、けっこう大暴れしちまったんだけど…」
ビブリオン側が油断していた事もあったが、カルラ達の奮戦により、村内にはビブリオン兵の死体の山が築かれていた。
「大丈夫だって!あの王様はそういう事は気にしねえんだ。むしろ喜んで戦列に加えてもらえると思うぜ?」
「ふ〜ん、まぁ、そんなら良いんだけどね…」
カルラはアルスに寄って耳打ちした。
「…ガイア王って、噂じゃかなりイッちゃってるって話じゃないか?大丈夫なんだろうね?」
「噂以上だ。完全にイカれてやがる。だが将としての実力は確かだ。歪んだ形ではあるがカリスマ性もある。仕えるなら、このくらいクセがある王様でちょうど良いや。面白えからな。でも王の前で反論したら可愛い子犬ちゃんに首を切られるから気をつけた方が良いぜ」
「子犬ちゃん?」
「まぁ、いずれ分かるさ」

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