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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 24

それでもエルザは何とかアルス達に付いて来た。
夕方、ノーマ軍はスカル平野の手前に広がる森の中に野営地を設けた。
「サフィア、ビブリオンの軍勢はどれ位なんだ?」
テントに入ったアルスはサフィアに敵の数を尋ねる。
「そうですね〜…おおよそですが約13万人といった所ですかね〜。私達の方が数では勝っていますが、それほど大差はありませんし、向こうの方が先に陣地を張って待ち構えているでしょうから、どちらが優勢とも言えません」
スカル平野での戦いは局地的に過ぎないが、ここで負けた方は確実に劣勢に立たされるだろう。そしてその確率は五分五分。
「まあ、その分だけ勝った時の利もデカいって訳だな」
「あんたは相変わらず楽観主義者だね」
カルラが言った。
「ポジティブシンキングと言ってくれ」
「プラス思考なのは良い事ですよ。ただし程度によりますけどね〜」
「ハハハ…違いないや!」
カルラは笑って酒を飲み干した。


ノーマ軍がスカル平野に到着したのは翌日の昼過ぎだった。
「やはり先を越されましたね」
「はい、高地に陣取っています」
「心配いりません。数の上では我が方が優勢です」
ディアナ皇女と将軍達が話し合っていると伝令兵が飛んできた。
「殿下!ビブリオンの軍使が来ました」
「通しなさい」
将軍達をかき分けて、ビブリオン王国の国章が刺繍された軍衣を着た騎士2人が現れた。
「ノーマ皇国軍総司令官ディアナ皇女殿下でいらっしゃいますね?」
「そうですが、そちらのご用件は?」
「我らが国王ガイア陛下より通達です。『ビブリオンは無駄な争いは好まぬ。直ちに軍を解散し降伏せよ。ビブリオンへの服従を誓うならば皇帝以下皇族の身の安全と国民の保護を約束する』」
将軍達は笑いながら聞いていた。ディアナは凛として応えた。
「拒否します。早くお帰りなさい」
「分かりました殿下、二度と参りません」
使者は帰って行った。

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