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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 20


「…てな訳でエルザを奴隷にしたんだ」
宿に戻ったアルスはカルラとサフィアに事の顛末を話して聞かせた。エルザはアイシャと一緒に風呂で体を洗っている。
「ハハハ…どうせなら金か王宮の酒蔵にある最高級ワインでも貰ってくりゃ良かったのに、アンタらしいや!」
「皇女様に取り入ろうとしなかったというのもアルスさんらしいですねぇ〜」
「取り入る?そんな事考えもしなかったな。だいたい宮仕えなんて俺の性に会わねえよ」
そもそも権力や名声などというのは己の力のみで得るものだとアルスは考えていた。他人の力添えで得た地位など、いずれ失う。
「やっぱアンタは大したヤツだよ。さすが私が見込んだ男だね」
「それにしても権力者ってのはロクなヤツがいねえ。今まで色んな国の王や貴族を見て来たが、どいつもこいつも自分の欲望のために領民を苦しめたり殺したりするクソばっかりだ。奴隷の虐殺ショーなんかにしてもそうだ。俺は決めたぜ。今はまだ無理だが、力をつけて偉くなって、必ずこの腐った世界をブチ壊してやる!」
「全くだ…支配者なんてロクなヤツがいない。良いヤツはみんな殺されちまうからな」
遠い目をするカルラ。昔の恋人の事を言っているのだろうか。
「じゃあアルスさんがアルシア大陸を再統一して皇帝になれば良いです。神聖ノーマ帝国の初代皇帝も最初は庶民で、人々を苦しめる暴君を倒すために兵を挙げたのが始まりだったそうですよ」
「俺が皇帝!?無茶言うなよサフィア!」
「ハハハ!そうだよ!アルスなんかが皇帝になったら、それこそ世の終わりさ!」
「いえいえ、私はアルスさんにはその素質があると思いますよぉ」
サフィアはいたって真面目なのだが、のんびりとした雰囲気のせいで、二人には冗談と取られたようだ。
そんな話をしているとアイシャとエルザが風呂から上がってきた。
「あぁ〜、良いお湯でしたぁ!」
「エルザ、どうだった?庶民の風呂は」
「何か…色々と吹っ切れたような気がします」
エルザは体に巻いていたバスタオルを取って床に捨てた。肉感的な裸身が露わになる。彼女はアルスの前にひざまずいて言った。
「ご主人様!私、覚悟を決めました!経過はどうあれ、こうなったからには、もう王宮にも実家にも帰れません。私にはもうご主人様しか居ないのです!改めて、私エルザをご主人様の奴隷として、よろしくお願いします!!」

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