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アルス正伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アルス正伝 12

アルスは白い糸を垂れ流したデカ尻が出て行くのを黙って見送った。
「ありがとうございました。アルスさん」
サフィアがアルスに頭を下げた。ちなみにアイシャはサフィアのテクニックで失神させられた。
「お前に礼を言われるような事はしてねぇぞ?」
「あんな幸せそうなカルラ様、私初めて見ました」
「そうか?別に俺に抱かれる前と何も変わらねえように見えたが…」
「カルラ様は気の強い方ですから、辛くても陽気に振る舞っているんです」
「何かあったのか…?」
「はい…」
サフィアは話し始めた。
サフィアが奴隷になる前の話なので彼女も詳しくは知らないのだか、元々カルラには結婚を約束した男がいたという。相手はある国の王子で、二人は心から愛し合い、やがてカルラは王子の子を身ごもった。
だが王位を巡る争いの中で王子は謀殺され、婚約者のカルラも捕らえられ、子供は『将来の禍根となる』と堕胎させられた。
その国も間もなく滅亡し、今は全く別の王家がその地を統治しているという。
最愛の人とその子供を失ったカルラは国を追放され、女傭兵となった。生きるためでもあったが、戦いに没頭する事で過去を忘れようとしたのかも知れない。
そんな中、彼女はある傭兵仲間の男と恋仲となり、彼の子を孕んだ。
だが彼女にはまたも残酷な運命が待ち受けていた。
ある戦いで部隊が敵に包囲され、カルラを除いた全員が全滅。恋人の男も彼女の目の前で殺された。そして彼女は恋人の死体が転がるその横で数時間に渡って敵兵達に犯され続けた。
臨月だった彼女はその最中に流産した。出産が終わると敵兵達はなおもカルラを犯し続けた。やがて彼女は衰弱して意識を失ったが、再び気付いた時には、駆けつけた味方の増援部隊が敵を全滅させていたという。
二度も愛する男とその子供を失ったカルラは以後、誰と寝ても絶対に膣内に射精させなかった。
サフィアがカルラに買われたばかりの頃、その理由を尋ねると、この話を聞かせてくれた。そして、もう誰も愛さず子も作るつもりは無いと言った。
「…だから今日、カルラ様がアルスさんに中出しを許した時は本当に驚いてしまいました。だからアルスさん、カルラ様を今度こそ幸せにしてあげてください。幸せにカルラ様に赤ちゃんを産ませてあげて欲しいのです」
「知らなかったよ…アイツにそんな過去があったなんてな…だからママって呼んでくれなんて言ったのか…?」
それが直接結び付くのかどうかは分からないが、母を知らない男と母になれなかった女、何とも妙な組み合わせだ…とアルスは思った。

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