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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 165


「てぃ・・・ティルティオラ様!ご、ご報告いたしますっ!
 ゼエ、た・・・ただいま西門より魔物の群れを発見したとの監視からの連絡がっ!」
「!」
「来ましたか・・・」
「で、伝令!伝令ーッ!」

そこにさらに1人の兵士が乱入してくる。
その兵士を見たアレスたちに嫌な予感が走った。まさか・・・?

「で、伝令!北の門より巨大な魔物の群れが姿を現しました!
 その数、100はくだらないかと思われます!
 ただいま兵士たちが全力で検閲待ちの旅人達や市民の避難を行っていますが、とても間に合いそうにありませんっ!」

100の魔物の群れが2つ、王都を襲撃してきた。
これは政(まつりごと)に疎いアレスたちでもわかる、たいへんな異常事態だった。
普通、魔物は群れを成してもそんなに巨大にはならない。
いいとこ20〜30。それ以上増えると群れの統制が利かなくなって分裂したりする。
しかもここは王都。兵士の質、数ともに優秀でおいそれと手を出すような輩はいない。いないはずだった。
100匹もまとめているだけでもすごいのに、それが2つ・・・合計200匹も王都を襲う?
アレスたちは悪い夢でも見ているような気分だった。
そんな中、ティルティオラはこの都を、正しくはこの町にいる人間たちを守るためにいち早く判断を下した。

「わかりました。ではこれより私が一時的にこの町を守る結界を大きくします。
 その間に市民たちの避難を済ませてください」
「・・・!?ま、待ってください!い、いくらなんでもそれは無茶ですっ!
 町1つを覆うほどの巨大な結界なんですよ!?
 それを一時的にでも大きくしたら、どれだけの負担がかかると・・・!」
「私なら心配はいりません。私は『聖龍の紋章』。
 結界を張るだけのエネルギーならたっぷりあります」
「敵がその間、何もしないとは限らないでしょう〜!?
 バカなことはやめてちょうだい〜!!」

ティルティオラの発言にエリアとウルゥが血相を変えて中止を訴える。
魔法が専門でないアレスたちにはちんぷんかんぷんだが、よほど無茶なことをやろうとしていることだけは理解できた。
ならばここで動かねば男じゃない!

「待ってくれ!アンタが何をしようとしているのは知らないが、ここはオレたちに任せてくれないか!?」
「ああ。こう見えてもオレたちはクルカ村からこの王都まで自力でやってきたんだ。
 ラムサ、メルディアからも実力を認められているし、聖剣エクセリオンもある。
 だからここは1つ、オレたちにまかせてみちゃくれないか?」
「・・・・・・」

その言葉にティルティオラは黙考する。
アレスの言葉には確かに説得力があった。
魔物が急増する中、このクイーンマリアに来るのはそれなりの腕がなければならない。
それにラムサ、メルディアも戦ってくれることを考えれば、かなりの戦力と言えるだろう。
だがひさしぶりに会いに来てくれた同族とその友人に、迷惑をかけてよいものだろうか?
彼らが相手にするのは並みの魔物ではない。
精鋭ぞろいの兵士たちやティルティオラの結界をもってしても手こずる凶暴な連中なのだ。
義理と人情、王都を守る人柱としての矜持、様々な思いを天秤にかけた結果、

「・・・わかりました。あなたのお言葉に甘えさせていただきます。
 どうかこの都の兵士たちとともに力なき民を守ってください」

ティルティオラはアレスの協力を仰ぐことにした。
今優先すべきはくだらないプライドや相手への気遣いではない。
犠牲者を出さないための努力であると判断したのだ。
ティルティオラの言葉にアレスはニッと不敵な笑みを浮かべる。

「まかせてくれ!どれほどの魔物か知らないがちゃっちゃっと片づけてきてやるよ!」
「油断してはいけません。相手はこの国の中心たるクイーンマリアに攻め込んでくるほどの魔物。
 その実力は計り知れません。くれぐれもご注意を・・・!」
「わかった!町の中の人たちのことは頼んだぜ!」

そう言って魔物の迎撃へと飛び出すアレス。
エリア、マリー、ウルゥ、シズクもそれについていく。
ラムサはそれを見送った後、うれしそうな笑みをティルティオラに向けた。

「・・・どうだ?我々の選んだつがいの男は?なかなかによい男であろう?」
「ええ。なかなかに正義感と義侠心にあふれたよいお方です。
 私を救ってくれた、マリアのことを思い出します」
「ゾーマを倒そうと公言するほどの方ですからね。
 いずれあなたも私たちのようにあの方がほしくてたまらなくなるんじゃないですか?」

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