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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 153

その後アレスたちはマリーたちと合流、墓地を後にした。
ラムサが戦闘不能になったときは依頼を一時中断しなければならないかとアレスは予想していたが。
幸か不幸か、アレスと別れたマリーたちはその後墓から出てきたと思われるアンデッドの集団と遭遇。
ゾンビたちをあらかた退治し、依頼達成の運びとなったのである。
もっともお姫様抱っこされるラムサを見て、触発されたエリアたちが騒ぎ出し、アレスはある意味ゾンビ退治より面倒な羽目になるのだった。
なお、ラムサのほうは腰を抜かしただけだったので翌日にはすっかり回復し。
すぐ旅を続けられる状態に戻った。

――――

「・・・よし。みんな準備は済んだか?」
「うむ。我のほうは問題ない」
「こっちも大丈夫だぜ」
「こちらもです。薬の補充もバッチリですよ!」
「ラムサちゃん〜?ホントに大丈夫〜?もう少し休んだほうがいいんじゃない〜?」

エリアの言葉にラムサはわずかに、ほんの少しだけ反応した。
どうやらみなにお姫様抱っこ(=戦闘不能)を見られたところが恥ずかしかったらしい。

「・・・大丈夫だ。我はもう回復している。
 もう二度とあのようなみっともないところは見せん。
 今まで以上の働きをして見せる・・・!」
「おいおい、あんまりはりきりすぎんなよ?ゾーマを倒すまで道は長いんだ。
 気合い入れんのもほどほどにしておけよ」

こうしてアレスたちは再び旅へと出発した。
次なる聖龍『聖龍の紋章』の待つ地へと―――。
――――

「ブキイイィィィッ!!」
「甘えッ!」

ギィンッ!

それから数日後。アレスたちは街道を移動中に襲われたオークの群れと交戦中だった。
アレスは振り下ろされたオークの槌を横からはじいて攻撃をそらすと、返す刃でそいつを下から一刀両断する。
しかし敵はそれ1体だけではない。
アレスはすぐさま次の敵に標準を合わせると、それに向かって走り出した。
それに合わせマリーとメルディアがすぐさま援護を開始する。
アレスの狙いはこの群れのボス。それを倒せば統率を失って残りは逃げ出すことだろう。
だが単身でそれを倒そうとはあまりに虫のいい話であった。
マリーたちの攻撃をかいくぐった数匹のオークが、棍棒を振り上げアレスに迫る。

「!?」
「アレスっ!!」

その間に素早く割って入ったのはエリアとラムサ。
エリアが防御魔法でオークの攻撃を防ぎ、ラムサがすかさずその息の根を止める。
危機一髪の状況を免れ、ラムサが思わず安堵のため息をついたその時。
背後から耳障りなオークの悲鳴が響き渡った。
アレスがボスオークを倒したのだ。ボスを失った配下のオークたちは統率を失い、我先にとその場から逃げだした。
こうしてこの日も無事生き延びることができたのだった。

――――

「アレスっ!!おまえ、いったい何を考えているっ!?」

その日の夜。街道のそばに張ったキャンプで、ラムサは怒声を上げていた。
理由は言うまでもない。オークとの戦闘で見せた、アレスの危険な行動についてであった。
複数の敵との戦いにおいて、指揮官を倒すことはもっとも有効な手段の1つだ。
だがそれは指揮官を守る兵士をあらかた片づけた後か、弓や魔法などの遠距離攻撃で行うものだ。
いくら実力差があったとて、剣を片手に単身突っ込むなど正気の沙汰ではない。
事実ラムサたちを守らなければどうなっていたことか。
彼女が怒るのも無理なかった。だからアレスも素直に謝った。

「すまん。オレが悪かった」
「悪かったって・・・おまえな!一歩間違えばどうなっていたと・・・!」

その言葉に今度はマリーが激昂する。

―――誰よりも大好きなおまえを守るために今まで一緒にいたのに。
   おまえを失ったら、自分はいったいどうやって生きていけばいいと言うんだ―――!?

怒りのあまり、思わず自分の気持ちを告白してしまいそうになるくらいに。
でもそれは今言うべき言葉ではない。この気持ちはドサクサまぎれで言っていいものではないから。
ラムサとマリーだけはない。みな口にこそしないが、怒っているのは明らかだった。
アレスもそれを理解しているからこそ、謝罪しているのだ。

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