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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 154

「だから悪かったって!あの数と状況を考えたら、無理してでも突っ込むしかないと思ってさ」
「バカモノっ!だからって1人特攻をかけるヤツがあるかっ!我らがいなければどうなっていたかっ!!」
「ん。でもおまえらがいるだろ?だから何とかなるかなーって」
「!?」×5

その言葉にラムサ・エリア・マリー・ウルゥ・メルディアの5人が大きく反応する。
アレスは単純に自分が無茶しても仲間がフォローしてくれるから大丈夫だと思った、くらいの意味合いで言っている。
しかし彼に恋する・・・否、愛している彼女たちの場合はフィルターがかかってしまい、『オレの愛しているおまえなら、守ってくれると信じていた』みたいな言葉に聞こえてしまうのだ。
恋愛フィルターのかかった5人は顔を紅潮させていることにも気づかず、自身の動揺を悟られまいとする。
涙ぐましい努力である。

「そ、そそそ、そうか?ななな、なら仕方ないな」
「そうね〜。でも危ないことはもうやめてね〜?私たちがフォローするにも限界があるんだから〜」
「あ?おい、おまえら、いきなり何甘いことを・・・」
「いいじゃねーかシズク!本人もこの通り反省してるみたいだしよ!」
「そうですよ。今度からは無茶しないように私たちでも注意すればいいだけですし」
「今回は私も油断してました。これからは『聖龍の書』の名にかけて、安全に勝利できるプランを提供しますよ」
「お、おい・・・!?」

5人はうんうんうなずきながら、話はこれで終わりとばかりに席を立つ。
急に態度を反転させた面々にシズクは面喰らい、アレスはほっと胸をなでおろすのだった。

――――

「ふ、ふふ、ふふふ・・・っ。そうか、そうか・・・っ!そんなに我のことを想っていてくれたのかっ・・・!」

キャンプから少し離れたところ。
そこで1人になったラムサは小さくガッツポーズをしながら幸福をかみしめていた。
おそらくシズク以外の他の面々も各自似たようなことをやっているのだろう。

「ま、まったくしかたのないヤツだ。我がいなければ何もできんとはっ・・・。
 ふ、ふふっ・・・ふふふふ・・・!!ヤツがまた無茶をせぬよう、妻である我が、
 そう、妻であるこの我がしっかりと守ってやらねばなっ・・・!
 ふふふっ、くふふふふふ・・・!!」

1人でぶつぶつ言いながら笑うその姿ははたから見れば不気味この上ない。
たぶん今の彼女なら、魔物すら警戒して近寄らないのではないだろうか?
恋する乙女とはどこまでもわがままで自分勝手で・・・幸福な生き物である。

「うふっ、うふふふ・・・♪・・・ふぐッ!?」

しかし。幸福に酔いしれるラムサに何が起こったのか。
笑っていた彼女は突然下腹部を押さえると膝をついてその場にうずくまる。

「こ、これはっ・・・ま、さかっ!?バカ・・・なっ。早いっ、早すぎ・・・るっ!
 つ、つがいができたことで予定が早まったとでも言うのかっ?!」

何かに耐えるようにしながらつぶやくラムサ。
いったい彼女は何に耐えているのだろうか?

「く・・・そっ。油断・・・したっ。このまま・・・ではっ・・・!
 い・か・ん・・・!あ、あ、あ・・・ああァァァッ!?」

絶叫。そして我慢の限界を迎えたのか、ラムサはそのままパッタリと地に顔を伏せた。
間。静寂があたり一帯を支配する。そんな中、意識を取り戻したらしいラムサがゆらりと立ち上がる。
そして無言のままおぼつかない足取りでアレスのいるテントへと戻っていく。
そこから再び悲鳴が上がったのはそれからすぐしてからのことだった。


「キャーッ!?」
『!?』

外に出て都合のいい妄想に陶酔していた仲間たちは、その悲鳴で我に返った。
が。次の瞬間、彼女らは眉をひそめて思わず首をかしげた。
発せられた言葉とその音程にものすごい違和感を感じたからだ。
普通、今の悲鳴を聞いたら女性が襲われている光景を想像するだろう。
しかし今の声は女性のものではない。明らかに女性のそれより音が低いのだ。
つまりそれは男性のものというわけで。でもアレスがそんな悲鳴を出すなんて考えられなくて。
だから彼女たちはその不可解な状況に首をかしげてしまったのである。

「ちょっ、やめてー!?オムコに行けなくなるー!?」

そこに再び響いてきたアレスの悲鳴。しかもその内容がとんでもない。
お婿に行けなくなる?冗談ではない。
お婿に迎える、もしくはお嫁に行くのは自分なのだ!
夫(予定)のピンチに仲間たちはすぐさま再起動してアレスのいるキャンプ(テント)へと飛び込んだ。

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