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5大聖龍とその女達
官能リレー小説 - ファンタジー系

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5大聖龍とその女達 132

実は彼女、アレスがラムサを連れてきてからというもの、気が気でない不安な日々を過ごしていた。
エリアとウルゥという、ただでさえ手強い相手がいるのに、ここ最近アレスのまわりにはどんどん見目麗しい女性が集まってきている。
このままではあまり女っ気のない自分は、いつか置いてけぼりを食らうのではないか。
そんな不安を感じたのだ。
そこでマリーはその遅れを取り戻すべく、このような手段に打って出たというわけである。
だったら昼間に誘ってもいいような気もするが・・・。
その辺は複雑な乙女心の問題なのだろう。
猟師なのにメイド服を着たり、アレスの旅に同行したりしているのは、もっと自分を見ろというマリーなりのアピールなのだ。
そして。シズクとメルディアという、新しい女が増えた今、マリーは少しでも優位に立つためにアレスの元に向かったわけだ。
アレスが彼女たちに手を出さないよう、さりげない風を装って釘を刺しに来たと言い換えてもいい。

「アレスのヤツ・・・もしメルディアに手を出していたら、二度と浮気できない身体にしてやる」

具体的に何をするつもりなのか、いろいろ気になるセリフである。
しかしそれを確認する機会はすでにない。
なぜなら、アレスの部屋の前にはすでに何者かがやってきていたのだ。
夜目の利くマリーは、それが何者なのかすぐにわかった。

「エリア・・・!アンタ、いつの間に先回りして・・・じゃない、一体何をやって・・・!」
「ま、マリーちゃんっ!?や、やぁねぇ。
 脅かさないでよ。お風呂があいたから、アレスちゃんを呼びに・・・ね?」

突然声をかけられ、驚いた様子で答えるエリア。
その狼狽っぷりからして、抜け駆けしようとしていたことはほぼ間違いないだろう。
エリアは時々こうやって自分たちの知らないところで抜け駆けしたりポイントを稼いだりするから油断できない。
それを防げただけでも、彼女の判断は正しかったと言えよう。
それに今、注意すべき相手は他にいる。
マリーはあえて深く追求せずに、ドアに耳を近づけ、中の様子をうかがった。



「中には誰もいないようだな」

「えぇ、とてもよく眠っているわぁ」

誰もいなくて当然だ。
この部屋にはラムサ、メルディアどころかアレスもいない。
なぜならこのとき、メルディアと一緒に離れの洞窟で契約の真っ最中である。
まさか部屋にいるはずのアレスがいないとも知らずに、2人は虎視眈々と部屋に入る機会を窺っていた。

「じゃあ、早速」

ガシッ!!

エリアがドアに手を掛けようとした瞬間、寸前のところでマリーの手がそれを阻止した。
流石夜な夜なポイント稼ぎをしていただけあって油断できない相手である。


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