5大聖龍とその女達 127
あの時はエリアたちに邪魔されて、満足に出来なかったからまたヤれるとあって興奮もさることながらその直後に見せたメルディアの態度も気になった。
(いきなりご主人様だもんな、まあ悪くは無かったけど・・・)
そんな事を考えながら、玄関のドアを開けるとメルディアが既に外で待っていた。
メルディアの格好は白の質素なワンピースに手にはランタンを持っていた。
「お待ちしておりました。では、こちらです」
そう言われ、メルディアに案内されたのは家から少し離れた洞窟だ。
その中に入って直ぐに行き止まりとなっていたが、そこには動物の毛皮で作られた簡易ベッドがあった。
するとメルディアは持っていたランタンを隅の方に置き、アレスに抱きついた。
「漸く、二人きりになれましたね。ご主人様」
「なあ、メルディア?さっきから俺の事『ご主人様』って呼んでるけど、何で?」
「お気に召しませんでしたか?」
「い、いや・・・何でかなぁと思ってさ」
「はい。ですが、その前に一言謝らせて下さい」
「え!?」
俺、何か悪い事したっけ?
「私、最初から試練の事なんてどうでも良かったんです。
ご主人様がラムサを連れていたのを見て、ご主人様が聖龍の証を持つ者と確信してましたし、どんな事があってもご主人様の力になろうと決めておりました。
それに私、聖龍の証を持つご主人様に身も心も支配されたかったんです」
「はぁ!?」
「あれはいつの事でしょうか・・・まだ見ぬご主人様の事を思っていたら、突然身体の奥から何か疼いてきて、いろいろやったのですが、どうにも出来なくて。
そこで調べてみたら私のような人はマゾと言う事を知りました。
しかも私はその中でもマゾ奴隷に属していました。
マゾ奴隷の人はご主人様と決めた人に身も心も捧げ、一生ご主人様に添い遂げるような人のことを言うんですよね?
命令は絶対服従、奴隷はご主人様の所有物です。
なのでご主人様、なんなりとご命令ください」
「え?え〜と・・・」
何て言えばいいのかな?
とりあえず、メルディアがアレスのことをご主人様と呼ぶ理由は分かったが、同時にメルディアの解釈は大きく間違っている事も分かった。
まぁありがち間違いではないが、皆がみんなそうじゃない。
どう説明すりゃいいんだよ?
(ラムサもたまにマゾっぽくなるが、聖龍の奴らってマゾの奴が多いのか?)
「め、メルディア、お前の考えは間違っちゃいないが、その解釈はどうかと思うぞ?」
「でも、ご主人様は嬉しいんでしょ?」
「うぐっ!!」
「では、私がご主人のモノだということをこれから証明いたします」