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僕の侍女はどこにいるの?
官能リレー小説 - ファンタジー系

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僕の侍女はどこにいるの? 99


そうして勢い込んで部屋に入ったものの・・・。
安らかに眠るエリーを見つけた瞬間、何をしたらいいのかわからなくなった。
だって数日ぶりに見るエリーはとてもキレイになっていたから。
ぼくの知っているエリーはキレイというよりかわいい感じだったんだけど、子供を産んだせいか、その寝顔はどこか大人びていて、思わず魅入ってしまった。

「ぅ・・・ン、リスぅ・・・」
「エリー?起きたの?」

突然名前を呼ばれ、驚いたぼくは声をかけるが反応はない。
どうやら寝言みたいだ。
ぼくと冒険していた頃の夢でも見ているのかな?

「り・・・すぅ・・・。どこ・・・?どこにいるの・・・?」

そっとエリーの髪をかき上げようとした瞬間、ぼくは彼女の思わぬ言葉にその手を止めた。

「さみしいよ・・・会いたいよ・・・。
 リスに会えなくって、私の身体、こんなになっちゃったんだよ?
 どこにいるの・・・?リス・・・リスぅ・・・」

つぅ・・・っ、

涙。エリーは眠りについてなお、ぼくに会えずに悲しんでいた。
ぼくは自分で自分を殴ってやりたい気持ちになった。
何でぼくは1人で魔界に行ってしまったんだろう。
どうしてエリーたちの異変に気づかなかったのだろう。
結果、エリーたちは夢の中でもこうして枕を濡らすほど悲しませてしまった。
きっとリディアたちも同じように悲しんでいるんだろう。
早くエリーたちを悲しみの連鎖から助けてあげないと!
もう1人ずつだなんて言ってられない!
ぼくはそう心に決めると、エリーの肩をつかみ、優しく揺り起こした。
「エリー?ねぇ、起きて。今まで留守番させてゴメンね。
 もう留守番なんてさせないから。
 もうさみしい思いなんてさせないから。
 だから・・・起きてよ、エリー」
「・・・ぅ、ン・・・?」

そして悲しみの底に沈んでいた眠り姫は、本当の意味で悪夢から目覚めたんだ。

「おはよう、エリー」
「・・・・・・?」

男性の声に、エリーは不思議そうな顔でこちらを見る。
ぼくがいなくなってから男の人と会ってないから、てっきり母さんだと思っていたんだろう。
何気なく顔を上げた瞬間、エリーはその動きを止めた。

「・・・え?」

その時のエリーの顔は今でも忘れられない。

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