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僕の侍女はどこにいるの?
官能リレー小説 - ファンタジー系

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僕の侍女はどこにいるの? 52

「そういうわけなの。リス、貴方は女として、母としての自分も幸せだと思っているのでしょうけど、分かって頂戴。」
その場を沈黙が包み込む・・・・・・。誰も声が出せない。しばし黙考した後、リスペクトがはっきりと答えた。
「うん、わかったよ・・・・。子供のためにも、解呪してください。」
「では、準備を開始します。」
「皆様、こちらに。」
僕たちは二人に案内されて、家の近くの広い草地へとやってきた。
「ここに陣を敷き、解呪を行います。今回の術は、2回に分けて行う必要があります。まず今回行うのは、事前準備というべきものです。
戦争で言えば、敵軍をまず包囲するようなもの。2回目の解呪で、完全に呪いを解きます。戦争で言えばこちらが包囲軍による総攻撃にあたります。何か質問がおありでしたらお願いします。」
シャーテさんが説明に立ち、ユカさんは向こうで早速陣を描き出した。そこにマリューカさんが質問した。
「2回目は何時行うの?」
「それは、お子が生まれる直前です。そのときに子供共々呪いを完全に解きます。」
「本当に大丈夫なのか?リスか子供に何かあったりはしないだろうな。」
「それは問題ありません。解呪失敗でダメージを負う事は無き旨、我ら龍巫女の信義にかけて保証致します。」
質問するリデルの声には、僕への心配が込められているのが感じられた。そのリデルに、シャーテさんは断固として答えたんだ。
「リスペクト殿、失礼します。」
え?僕がうなずくと、シャーテさんが僕に両手を向けて何事かを唱えた。巫女の術なんだろうね。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」
一瞬シャーテさんの両手が光ったと思うと僕のおなかが鈍く光ったんだ。そして、テオドラさんの体が同色に発光した・・。
「むむ・・・・・・。どうも双子を宿しておられるようですね。そして子供たちの親は、あなたですか・・・。」
シャーテさんの顔はテオドラさんに向けられている。ふと僕はリデルを見た。彼は明らかに落胆の表情を浮かべていたんだ・・。
「ごめん、リデル・・・。」
「いや、いいさ・・・。でもお前が男に戻ったら、俺は・・・・。」
「君がリデル君だね。実は君宛に2通、手紙を預かっているのだ。」
そこに父さんが現れてリデルに手紙を渡したんだ。何の手紙なんだろう?
リデルは2通の手紙を熱心に読んでる。
その間にもシャーテさんとユカさんが陣を敷き、準備を進めている。
今の今まで呪いの怖さを知らなかった僕の浅はかさを、今僕は感じていた。
魔法陣がひき終わると、僕はその中心に導かれた。
僕は陣の真ん中で寝転び、ユカさんとシャーテさんは僕のお腹に手を当てた。
「あらっ?・・・魔族の反応がある女の子の力の強さに隠されているけど・・・この小さな反応の人間の男の子の方が危ないわね・・・」
人間の男の子と聞いてリデルは喜ぶ反面、危ないと言う言葉に複雑な表情をする。
「多分、男の子の方がバランの『宿代』ね・・・女の子の方は、男の子を守る為の使い魔・・・呪いで予定された効果がきっちりと出ていますね・・・」

不安になって僕とリデル、それにみんなが2人の巫女を見る。
「では、まずリスペクト君のお腹の中に呪いを封じ込めます・・・まあ、包囲して逃げ場を無くすと思って貰えればいいと思います」
「お腹の中に呪いを封じ込めて、お腹の中の赤ちゃんに影響はないの?」
巫女達にエリーが代表して聞いた。
「正直言って、影響はかなり大きいのです・・・赤ちゃんが生まれるまでにバランの気が凝縮され、次の解呪は命がけになります・・・でもこうしないとバランの呪いを完全に消しされないのです・・・」

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